2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学講義で物理的概念の理解を促進させる系統的演示実験とリアルタイム評価の開発
Project/Area Number |
23501062
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三浦 裕一 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30175608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 泰之 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (70273208)
小西 哲郎 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30211238)
古澤 彰浩 名古屋大学, 教養教育院, 講師 (20362212)
齋藤 芳子 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 助教 (90344077)
千代 勝実 山形大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80324391)
安田 淳一郎 岐阜大学, その他部局等, 准教授 (00402446)
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Keywords | 物理教育 / 物理学の教材開発 / 能動的教育 / 授業改善 |
Research Abstract |
大学初年次の物理学講義において、通常の授業だけでは学生が把握しにくい基本的な物理的概念や法則を理解させるため、力学と電磁気学の分野を中心に授業中に行う演示実験を開発した。さらに、物理的概念を学生に直観的に理解させるための実験動画を製作し、公開した。 理解を深めるためには、学生の「問題意識」を喚起することが重要である。そこで、条件の異なる実験を提示することにより、学生に現象を説明する仮説を立てさせた。その際、学生に予想した根拠をワーク・シートに記述させ、理解の進む過程を追跡した。 演示実験では、物理法則を直観的に見て取れるように工夫した。例えば、金属板の上を移動する磁石は電磁誘導により「電気的な摩擦抵抗」を受ける。その誘導電流の方向を示すため、金属板を平面に垂直方向と水平方向に分割して比較した。分割した金属は互いに絶縁した。その結果、金属板を平面に垂直方向に分割した場合に「摩擦抵抗」が大きく減少することから、誘導電流の流れる方向は、金属板に水平であることが分かった。 また、実現困難な状況で、直観的に物理概念を示す実験も有効であった。例えば、自由落下する容器内部は無重力となる。この中で「重量と質量」の違いを示す実験を行った。無重力で同じように浮遊する「風船と石」に人形を強く衝突させると、「風船は吹き飛ぶのに対し、石は動かず大きな衝撃を受ける」結果が得られ、「重量が消えても質量はそのまま残っている」事実を直観的に示すことができた。 これらの開発した系統的演示実験について国際会議(APPC 12) 、及び物理学会で発表するとともに、一部を論文にまとめた。また、近隣大学から物理教育担当者を講師として招いてワークショップを開催し、互いに実験を披露し、意見交換を行った。
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Research Products
(12 results)