2013 Fiscal Year Research-status Report
科学的に認識して行動できる生徒を育成するための防災訓練プログラムの開発
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23501067
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
此松 昌彦 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50314547)
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Keywords | 防災教育 / 避難訓練 / 津波 / 地震 |
Research Abstract |
平成25年度には、和歌山県が南海トラフの巨大地震に向けた津浪浸水想定図を公表した。特に主な市町向けに津浪の浸水動画も公表された。その動画を利用して、主な地域での第1波からの10分ごとの浸水域分布図を作成するごとができた。それによってどのように津波が侵入してどのように流れていくのかが分かりやすくなり、避難訓練するための素材がたたき台を作成することができた。南海トラフの巨大地震における、粗い資料からの動的なハザードマップを海南市、那智勝浦町をモデルとして作成することができた。また従来の3連動地震についても新計算の浸水想定図や動画が公開された。これによって同じように津波浸水の時間的な変化と津浪の流れについて検討することが可能となり、巨大地震の場合と従来の3連動地震の時の津波の流れや速度がどのように変化しているのかを感覚的につかむことが可能となった。 前年度に続き津浪や地震の揺れなどの災害動画や写真は集めていく。また和歌山県では台風などによる土砂災害が多いことから、土砂災害、洪水についても動画などを収集し整理した。前年度について簡易な津浪実験水槽で、いろいろな面からハイスピードカメラでの撮影を実施した。また平面での津波の動きを観察できる東海大学海洋科学博物館の津浪実験水槽において、ハイスピードカメラでの撮影を実施したことで、津波がどのように移動してきているのか肉眼では不明であったものが理解しやすくなった。 那智勝浦町の中学校において、開発した防災教育プログラムの実践を実施した。その時に生徒、保護者にも防災教育に関するアンケートを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、従来の学校で実施している体験的な避難訓練に明確な目的を設定するために、地震や津波などの自然現象を科学的に認識する科学的な教材を開発し、学びと訓練を融合させたプログラムを開発する。さらに和歌山県内の学校で実践し、改良しながら児童・生徒が考え行動する新しいタイプの防災訓練プログラムを実現させる。 その中で平成23年には東日本大震災、和歌山県の紀伊半島大水害が発生し、研究の実施が学校との関係もあり遅れてしましった。そこで平成24年度では遅れを取り戻すために努力はしているが、相手の学校との関係もあり、効率的には進んでいない。特に地域の学校が、東日本大震災への対応の影響や南海トラフの巨大地震についてシミュレーション結果をもとに、学校での防災教育が実施されるようになったりしている影響がある。平成25年度において地域の津浪ハザードマップの制作が実施され、26年度から各自治体で配布されることになり、それを利用した防災教育プログラムの開発を26年度に実施するため、研究を延長した。このような背景から遅れを取り戻せていないために区分をやや遅れているにした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度のため、今まで実施していない調査をすべて実施する。 県内の協力いただける学校において防災教育を実施する。小学校、中学校、高校別において防災訓練で開発した教材を使用し実施する。その後のアンケートを採取し改良する。 平成26年度に和歌山県沿岸部の自治体において、配布された津波ハザードマップをもとに25年度に作成した、粗い動的なハザードマップを利用して効率的な避難経路を検討する。この時に第1波、2波、3波が明らかに理解できるような地図を作成し、児童、生徒たちに学校からの避難ルートについて検討してもらう。地震の揺れマップについては、地形的な違いと比較しながら、平野で揺れが強いことを認識してもらう。科学的に実験することで認識してもらうプログラムを開発する。 地震や津波を科学的に認識するために、ハイスピードカメラを利用して既存施設の実験水槽(広川町津波防災教育センターなど)での実験を録画して、津波や揺れを詳細に理解できるビデオ教材を制作する。素材や制作した教材を利用して、実際の避難訓練で使用してもらう。感覚的な素材、地震体験車による揺れ体験、実験などを通した教材、科学的なメカニズムを示しプログラムを通して、避難の重要性について考えてもらう。これを県内の協力していただく小学校から高校までで行い、可能なら大学生で類似したプログラムの効果について検証する。改良しながら新たな防災訓練プログラムを提案し、ホームページ等でも公開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
南海トラフの巨大地震想定を利用したハザードマップが平成26年度に自治体で発行され、配布されることから、それに合わせて新想定での防災訓練プログラムを作成してほしいという学校側からの依頼もあり、それを利用した防災教育プログラムにするためという理由と、平成23年度に東日本大震災による学校での防災教育について見直しが発生したため、調整が発生したことによる遅れが生じたため。 平成23年度の台風12号などによる紀伊半島大水害などでの遅れが、平成24年度においてもひきずっており、平成26年度には最終年度のため、研究成果などを公開していくプログラムを実施していく。県内・県外の調査にあまり行けていないので、最終年度では協力校とも密に連絡をとりながら、和歌山県南部にも行く予定。特に協力校との連絡を密にして、可能な限り打ち合わせを含めて計画をたてて、防災訓練で積極的に学べるように実施する。また学会への報告や他地域の防災教育との情報共有を行う。自治体の震度分布予測のハザードマップから揺れやすい地盤について考えさせる。地震体験車で家具の転倒防止実験を実施する。科学的な認識ができる防災訓練プログラムの最終バージョーンを考案する。教材について公表し、論文や簡単な手引き書を作成する。動画が使用できるサーバーを構築し、科学的な避難訓練というホームページを開設し、一般公開する。
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