2011 Fiscal Year Research-status Report
産学連携活動における知識移転・人材交流に関する研究
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23501089
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
細野 光章 文部科学省科学技術政策研究所, 第3調査研究グループ, 上席研究官 (30525960)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | イノベーション / 産学連携 / 特許 / データベース |
Research Abstract |
(1)国立大学関連特許の抽出とデータベース構築:2004年度から2007年度に出願された国立大学法人・関連技術移転機関(TLO)・科学技術振興機構(JST)が出願者となっている特許、及び、国立大学教員が発明者となっている特許(以上を「国立大学関連特許」という。)を日本国特許公報から抽出した。さらに、抽出された特許情報を名寄せ等のデータクリーニングを行った後、発明者である大学教員及び企業研究者の所属先を特定すると共に、所属先機関の関連情報(規模、業種)を付加して、国立大学関連特許データベースを構築した。本データベースは、本研究の目的である産学連携活動における知識移転・人材交流のあり方を把握する上で、基盤となる情報源である。(2)国立大学関連特許の集計と関連分析:(1)で構築したデータベースを活用して、国立大学関連特許の出願人及び発明者の所属機関の単純集計・クロス集計を行い、単独・共同出願特許比率や発明者の所属機関の構成について分析を行った。本分析は、大学で創出された知識の企業等の学外機関へのフローを大局的に把握する上で、極めて重要なものである。(3)国立大学関連特許のグループ化と企業発明者の独自発明特許の付加:国立大学関連特許の発明者構成の相同性を利用して、類似する(同一の研究開発プロジェクトから創出されたと考えられる)特許をグループ化(以上を、「国立大学関連特許群」という。)した。さらに、(1)で構築したデータベースに網羅されている企業発明者が、2000年度から2009年度に当該企業発明者が発明した出願特許を新たに日本国特許公報から抽出し、国立大学関連特許群に付加している。これらは、本研究の根幹である企業・大学間の知識フローの可視化と分析を行う上で不可欠な作業である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の研究実績の概要で述べたように、交付申請書に記載した平成23年度の研究計画のうち、「(1)国立大学の関連特許の抽出とデータベース構築」については、平成23年度中に達成されたといえる。 しかし、本研究代表者が平成23年度上期に体調を崩し、国立大学関連特許データベースの構築に時間を要したため、「(2)大学・企業の共願特許に関連する企業単独出願特許の抽出とデータベース構築」、「(3)データの試行分析」については、ほぼ達成されたものの、一部未完の部分があるため、平成24年度上期まで継続的に実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に関して、平成24年度上期には、平成23年度に達成できなかった交付申請書に記載の「(2)大学・企業の共願特許に関連する企業単独出願特許の抽出とデータベース構築」、「(3)データの試行分析」の残りの作業を実施する。 さらに、平成24年度下期に、交付申請書に記載した研究計画を遂行する。具体的には、特許データを活用して、研究者属性や組織属性等による差異を分析すると共に、特許を介した人的ネットワークの展開のあり方を分析する。平成25年度には、多数の国立大学関連特許を発明している大学及び企業研究者を対象にインタビュー調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付申請書の「研究経費の妥当性・必要性」に記載した平成23年度に執行予定の経費のうち、海外学会参加にかかる海外旅費を執行していないため、平成24年度に予定する海外研修会への参加のための旅費として活用の予定である。同様に、平成23年度に執行していないデータベース構築にかかる研究協力者等への謝金についても、引き続き平成24年度に行うデータベース構築の際に使用する。 その以外の「設備備品費」、「国内旅費」、「海外旅費」、「諸金・人件費」、「その他」については、当初の交付申請書の記載どおりに使用する。具体的には、「設備備品費」による関係図書及び特許データの購入、「国内旅費」による国内学会への出張、「外国旅費」による海外学会への出張、「謝金等」によるデータ整理委託、「その他」による学会参加費等である。
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