2012 Fiscal Year Research-status Report
産学連携活動における知識移転・人材交流に関する研究
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23501089
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
細野 光章 文部科学省科学技術政策研究所, 第3調査研究グループ, 上席研究官 (30525960)
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Keywords | イノベーション / 産学連携 / 特許 / データベース |
Research Abstract |
①国立大学関連特許の分析:平成23年度に構築した国立大学の研究者が発明者である2004年度から2007年度に出願された国立大学関連特許20,485件のデータベース(以下、「国立大学関連特許データベース」という。)を活用し、平成23年度に行った試行的分析を踏まえ、出願形態、研究者属性、研究領域、企業属性等に着目した本格分析を行った。 ②国立大学関連特許の発明者の人的ネットワークの分析:人的ネットワーク分析の実施に当たり必要な国立大学関連特許の発明者の名寄せ・特定を試みた。名寄せ等が終了した一部データを用いて試行的な分析を行った。 ③国立大学関連特許と関連企業単独出願特許の分析:国立大学関連特許のうち産学共同発明特許に着目して、その企業発明者が発明した企業単独発明特許を抽出した。これらの産学共同発明特許と企業単独発明特許の明細書内容の比較し、それらの間の関係性を分析した。また、当初の研究実施計画で計画していなかったが、国立大学関連特許と関連企業単独出願特許の関係性の特許情報の活用による推測結果の妥当性を確認するために、「国立大学関連特許データベース」を活用して、一橋大学イノベーション研究センターとの協力のもと、産学共同発明を行った企業研究者、大学研究者各3000名強に対するアンケート調査を行った。回収された調査結果を用いて、産学共同発明の企業内での展開・活用状況等について単純集計と一次分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画にある国立大学関連特許及び関連企業単独出願特許の分析のうち、前述したように①国立大学関連特許の分析はすでに終えている。 しかしながら、②国立大学関連特許の発明者の人的ネットワークの分析は、特許公報上の元データの誤記載、必要情報の不備等があり、発明者の特定作業が終了していないため、本分析は平成25年度に実施することとする。 また、③国立大学関連特許と関連企業単独出願特許の分析については、目視による明細書の精査では客観性の担保が困難であることから、平成25年度にテキストマイニングによる分析を試みる。 なお、産学共同発明特許の企業・大学発明者に対するアンケート調査については、本研究の推進に有益であり、当初の研究目的の達成に大いに寄与すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したように平成24年度に完了できなかった②国立大学関連特許の発明者の人的ネットワークの分析については、平成25年度上期に発明者の特定作業を終了させ、下期に分析を実施することとする。また、③国立大学関連特許と関連企業単独出願特許の分析については、平成25年度にテキストマイニングによる分析を試みる。 交付申請書に記載していた「多数の特許出願をしている研究の事例研究」については、前述の特許分析及びアンケート調査の結果を踏まえて、産学連携研究プロジェクトの類型化を図った上で、代表的な事例を4事例程度抽出し、インタビューおよび文献調査を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は「人件費・謝金」を使用して、国立大学関連特許の発明者の人的ネットワークの分析を行う予定であったが、分析の元データを処理する必要が生じたことから作業を中断した。平成25年度は、この中断した作業は研究代表者が自身で実施し、その分の「人件費・謝金」は国立大学関連特許と関連企業特許のテキストマイニングに活用する。 それ以外の「物品費」、「旅費」、「その他」については、当初の交付申請書の記載通りに使用する。具体的には、「物品費」による関連図書およびICレコーダーの購入、「旅費」によるインタビュー調査先及び国内・海外学会への出張、「その他」による学会参加費等である。
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