2011 Fiscal Year Research-status Report
教育業績評価システムとしての「e-ティーチング・ポートフォリオ・システム」の開発
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23501091
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
江本 理恵 岩手大学, 大学教育総合センター, 准教授 (60400181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 尚人 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (60205606)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | e-ティーチング・ポートフォリオ / ティーチング・ポートフォリオ / FD / 教育業績評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大学教員の教育業績評価の1つの方策として、「e-ティーチング・ポートフォリオ」システムのあり方を検討し、プロトタイプを構築することをである。 今年度は、主に現状把握を目的として、文献調査、Web調査、訪問調査を行った。文献、Web調査の結果、現在、日本では、組織として「ティーチング・ポートフォリオ」を教育業績評価に取り入れているところはないが、いくつかの大学や高等専門学校で、積極的に取り入れ、FD活動の一環として推進していることが確認された。訪問調査では、北米地域として日本への報告事例の少ないカナダを選択し、モントリオール大学の研究施設であるCRIFPEとMATIを訪問した。訪問先では、開発・運用中のe-ポートフォリオシステムについて実際に見学し、現状について話を伺った。 「e-ティーチング・ポートフォリオ」システムについては、カナダでの調査結果から、どの程度の入力項目を要求するか、が焦点になる。CRIFPEで開発しているシステムは、入力項目が自由で、どのような使い方も可能であり、多くの学生・教員に使われているが、自己紹介の域をでないものが多く、評価の対象にはできない。一方、MATIで開発しているシステムは、入力項目が多く、評価の対象になり得るが、ユーザが増えない、という問題を抱えている。これらの調査から、「e-ティーチング・ポートフォリオ」の開発にあたっては、入力項目の設定が重要であることが確認された。同時に、現実のシステムを考えた時、大学にて授業科目等を管理している学務(教務)情報システム等との連携が必須だと考えており、入力の手間を省力化しつつ、必要な項目については、じっくりと考えて入力してもらうための方策を検討する必要性も確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた調査を予定通り終わらせることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、ティーチング・ポートフォリオについて、組織的に取組を進めている国内の大学や高等専門学校を訪問し、現状や課題等について調査を行う。 アンケート調査を予定していたが、文献、Web調査から、現在、教員評価にティーチング・ポートフォリオを活用している大学、高等専門学校はほぼ「ない」、という状況が浮かび上がってきたので、計画を変更し、前述の訪問調査を充実させる方向で検討する。 また、「ティーチング・ポートフォリオ」及び「e-ティーチング・ポートフォリオ・システム」に取り組んでいる国内外の研究者を訪問調査し、システムのあり方について意見交換等を行い、問題解決の方策を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)旅費 質問紙調査を予定していたが、Web、文献調査で、およその状況がわかったため、その経費を訪問調査にあて、国内外の大学への訪問調査を行う予定である。また、システムの開発やシステムのあり方について、「e-ティーチング・ポートフォリオ・システム」等のシステムを研究開発している企業や研究者との意見交換等を行う場(国際会議等)へ参加するための経費として使用予定である。2)文献費 引き続き、文献調査を進めるための書籍購入費等の経費として使用予定である。
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Research Products
(2 results)