2011 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害などを持つ学生に対する個別情報保障に関する研究
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23501095
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
西岡 知之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (70310191)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報保障 / 聴覚障害 / 高等教育 / 字幕 |
Research Abstract |
今年度は、学習支援情報提示システムの表示デバイスについての検討を行うとともに、アメリカで開催されたヒューマンインタフェースに関する国際学会HCII2011に参加し、当該分野の研究状況に関する調査を行った。情報提示システムのうち、情報の受信側である被験者端末は、画像提示部分であるヘッドマウントディスプレイと、画像配信装置からの信号を受信する小型PCからなる。このヘッドマウントディスプレイとして、当初は島津製作所製の「DATA GLASS 2/A」を用いる予定であったが、今年度になりNEC社から新しいヘッドマウントディスプレイ「テレスカウター」が発売されたことを受け、当該デバイスの利用の検討を行った。実機を装用して評価したところ、単眼であり十分な解像度と明るさを持つこと、眼鏡に重ねて装用できること、などの点で、DATA GLASS 2/Aと遜色がないことが確認できた。一方で、テレスカウターの端末本体は、WindowsCEをOSとし、本体に固有のポインティングデバイスを持つことが分かった。このため、提示画面調整用のアプリケーションの作成に困難が予想され、またアプリケーションの使用時にタッチパネル式インターフェースを用いることができず、実験時に被験者に負担をかける可能性がある。このことと、コストが高く、実験で想定している大学における1クラスでの利用を満たすだけの台数を用意することが予算的に難しいことから、「テレスカウター」の利用は断念し、他のデバイスについて引き続き評価を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、実験システムの構築、実験プロトコルの確定および予備実験の実施を計画していたが、東日本大震災への対応のため、実験システムで用いる表示デバイスの検討のみにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、実験システムの基礎的検討を終えたのみだが、今後は引き続きシステムの構築を進め、字幕提示による評価実験を実施し、学生・教員間のインタラクションの評価方法に関する検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、実験システムの構築が一部のみにとどまったため、構築できなかった部分に対する次年度使用額が発生した。次年度は、この研究費を用い、当初計画に沿った形で実験システムの構築を行う。その後、システムの評価実験を行い、被験者に謝金を支払う。また、障害者支援に関する国際学会ICCHP2012に参加し、研究課題に関する情報収集及び研究者との意見交換を行う。
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