2011 Fiscal Year Research-status Report
身体運動教育のための舞踊記譜法ラバノーテーションのXMLエディタ開発
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23501098
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中村 美奈子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (20345408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝野 耕司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50216024)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教育工学 / 教授学習支援システム / 身体運動教育 / 舞踊記譜法 / Labanotation / 舞踊教育 |
Research Abstract |
本年度は初年度にあたるため、多方面からの資料収集を重点的に行った。 まず、教育工学関係では、2011年6月27日から7月1日にかけてポルトガルのリスボン大学において開催されたEDMedia国際会議に参加し、教育実践に基づく報告や分析および教育方法に関するアイデアなどの発表を聞き、メディアを用いた教育に関する資料収集を行った。 舞踊関係では、7月31日より8月7日までハンガリーアカデミー音楽学研究所(ブダペスト、ハンガリー)において開催された、第27回ICKL(International Council of Kinetography Laban/Labanotation)国際会議に全日参加し,舞踊記譜法ラバノーテーション(Labanotation)の教育法のワークショップおよび舞踊譜を用いた舞踊分析や舞踊教育に関する資料収集を行った。CADソフトを用いたLabanGraphPro.1.0という舞踊譜エディタの開発など、我々の科研の研究に関連する研究があることがわかり情報交換をすることができた。また、既存の商用CGソフトを用いた研究はまだ行われていないことが確認できた。 人文工学関係では、デンマークのコペンハーゲン大学において開催された,Supporting Digital Humanities(人文工学支援)学会で、フィールド調査による民謡の録音を五線譜へ採譜して口承伝承による旋律の伝承の系譜が分析した研究があり,伝承された旋律(リズムを含む)と伝承の過程で変化した部分をコンピュータ解析によって抽出した点が人文科学領域でののコンピュータ利用という点で参考になった。 これらの資料を参考とし、来年度以降、教育教材(ソフトウエア)の開発のほうに力を入れていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は研究費の交付決定が1カ月遅かったことに加え、8月の時点での研究費3割削減の通達による研究費の凍結(結果的には全額交付となったが)というイレギュラーなことが多く起きたため、研究計画を大幅に変更する形になってしまった。まず、資金削減の要請が出た段階で、3DCGソフトMAYAの購入に際し、教育機関向けの正規版(約30万円)ではなく、教員個人向けのサポートなしのバージョン(約8万円)を購入した。これにより必要なサポートを十分に受けられず、開発面において大きな遅れが出た。よって初年度は学会などに参加して資料収集に努め、ソフトの検証に関しては、サポートのない分を講習会(ワークショップ)の受講などを通して補った。しかし、本年度、多方面からの資料収集を行うことができたので、来年度以降は、これらの資料を活かす形で実質的な作業面に重点的に力を入れて遅れをとりもどしていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)収集した資料をもとに、教材の検討と,プログラミング構築プランに関する検討を行う。また,今年度の課題であった既存のCGソフトとの連携について、早急に検討する。(担当:芝野,中村)(→消耗品)(2)プログラミングの最終調整。中村が中心となり,研究協力者とともに行う。(→研究協力者謝金,アルバイト謝金)(3) 国際会議における研究発表および資料収集。中村と芝野の両者が担当する。(→海外旅費)(3) 国内の学会において情報収集し,また,国内の研究者らと研究打ち合わせを行う。中村と芝野の両者が担当する。(→国内旅費)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究費残額(約5万円)は、研究費3割削減の通達による研究費の凍結により、ソフトウエアのバージョンを下げたことが直接の原因である。来年度は、これを謝金および消耗品費の一部として有効活用し、開発作業の効率化に努めたいと考えている。また、来年度は機材などの備品の購入は行わず、旅費に関しては、海外で1件、国内で2件程度の研究発表または資料収集に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)