2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23501100
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松浦 慶総 横浜国立大学, 工学研究院, 特別研究教員 (70282960)
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Keywords | 技能教育 / 情報共有 / 教育支援システム / 技能評価技術 / 技能継承 / 溶接 |
Research Abstract |
平成25年度は最終年度として溶接技能継承システムの開発を行った.研究対象である溶接技能動作の教育学習を支援するためには,教授者側として(a)学習者の熟達度状況の把握と(b)熟達度に合わせた学習情報の提示,学習者側として(c)自身の熟達度状況の把握と(d)自己学習の機能が必要である. (a),(c)の学習者の熟達度状況の把握については,これまで教授者の経験的,定性的な判断に依存していたため,(1)溶接技能動作定量化システムと(2)溶接技能動作定量的熟達度判定システムを開発した.まず,(1)で3次元位置計測と筋電位測定で技能動作の定量化を行い,(2)で定量的熟達度の判定を行う.(2)では品質工学手法のRT法により教授者データから単位空間を作成し,この単位空間と学習者データとのマハラノビス距離を求めて良否判断をすることで,熟達度の判定,また熟達度に影響を及ぼす技能動作と筋活動の部位の評価が可能となった.この結果,体幹-肩―肘の角度,すなわち脇の開きと溶接箇所と溶接ホルダの位置関係が大きく影響し,またその時の僧帽筋のIEMGは熟達度が低い学習者は大きくなることがわかった. 次にこの判定結果を元に(b)の学習者に適切な学習情報を提供する機能と,(d)の自己学習機能が重要となる.そこで,判定した熟達度から教授者データとの差異がある身体部位とその動作を明示することで注意を促し,またシースルー型HMDを用いてリアルタイムに学習者自身の様子を投影しながら学習する(3)学習情報提示システムを開発した.このシステムを用いてアーク溶接学習を実施し,溶接時に自身の姿勢を確認できることの有効性が得られた.ただし,常時提示すると溶接時に重要な溶融池の確認の障害になるなど,HMD特有の課題も知見として得られた. 本研究のシステムにより,教授者側と学習者側の双方が理解しやすい学習情報を提供することが可能なった.
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