2011 Fiscal Year Research-status Report
講義型授業における協調学習設計-論証作成CSCL開発と脳波位相同期による評価
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23501102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西山 宣昭 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 教授 (10198525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 透 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 教授 (00202490)
山田 政寛 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 准教授 (10466831)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳波 |
Research Abstract |
本研究では、論理的思考力の養成を目的とした授業で用いる討論課題を開発することを最終目標としている。23年度は、討論課題を単純化した推論関連課題を設計し、その課題の思考負荷を定量的に評価するために、被験者5名を対象として、開発した推論関連課題遂行時の頭皮脳波を測定した。23年度は、推論課題による思考負荷の指標として異なる振動数帯域間の位相固定を用いることの有用性について検討を行った。すなわち、推論課題における前頭前野の関与の予想のもとに、前頭前野の直上の電極から導出された脳波信号からWavelet変換により瞬時位相を抽出し、Delta波とTheta波との位相固定の有無を調べた。その結果、数十ms程度にわたる間欠的な位相固定が繰り返し形成されていることを明らかにした。このような異なる振動数帯域間の位相固定が推論という論理的思考の過程と結び付けられたことは、位相固定が脳の領域間のダイナミカル・リンキングを支える機構であることを強く示唆しており、新規の知見である。24年度は、引き続き同様の脳波測定と解析を進め、より確かな位相固定の機能的役割を示す証拠を収集する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脳波データの解析プログラムの作成、検証はすべて完了し、また解析の結果、仮説として設定した位相固定の機能的役割を示唆する結果がすでに得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は順調に進んだ。解析プログラムはすでに完成しているので、今後は、被験者を増やして大規模なデータ収集を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度と同様に、被験者への謝金、共同研究者との意見交換のための旅費に使用する予定である。
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