2011 Fiscal Year Research-status Report
形式記法を用いた合目的的な思考外化のための教育方法に関する基礎的研究
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23501103
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 樹 信州大学, 工学部, 特任助教 (30535266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國宗 永佳 信州大学, 工学部, 助教 (90377648)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 論理的文章 / アルゴリズム的思考法 |
Research Abstract |
アルゴリズム的思考法を用いて,学習者の思考を外化するための教育方法を探求・実施することを目的としていることから,「アルゴリズム的思考法教育」と「論理的文章教育」の2つの側面からの報告する. まず「アルゴリズム的思考法教育」であるが,当該年度では,アルゴリズム的思考法教育で使用している教育ツールを,プログラミングの基本構成要素を,学習者に気づきを与えるように改良を施した.これにより,前年度と比較して,学習者がより難易度の高い問題へ対応できるようになった. この教育ツールはWEB上で動作しているが,GoogleAPPSエンジンを利用しており,ネットワークの環境によっては動作の保証がない.また,事前に行った調査によって,トレース機能を充実させることによって,教育効率が上がることが明らかとなっていた.これらのことから,当該年度実施したアルゴリズム的思考法教育後,大幅な改良を行なっている.どのような環境下でも,持ち運び可能なサーバを用意することで,ツールの使用が可能となる. 「論理的文章教育」であるが,論理的な文章を書くための「書き方」に関する書籍の事前のサンプル調査から,「 論理的な文章の共通項があること」,「 論理的な思考に関することと,文章技術に関することに分類できること」の2点が明らかになった. このことから,論理的な思考に関することと,文章技術に関すること,それぞれを,サンプル書籍での共通項の洗い出しを行った.これは,高等教育機関での教育だけでなく,社会人学習者に対しても教授する内容を選択し,実施することが可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度まで利用していたアルゴリズム的思考法教育で使用する教育ツールを,大幅に改良する必要があったため,システム改良に実施計画よりも遅れがあった.また,アルゴリズム的思考法教育における初年度学習者の躓きについてプログラミング初学者を対象とした分析が行えなかったため,学習者の躓きをパターン別で分類ができなかった. さらに,論理的文章教育で基礎となる書籍の調査方法を見なおした結果,申請時に計画していた「文章のジャンルとタイプ別に分類する」ことの他に,アカデミックライティングに関する書籍から,論理力に関する記述(項目)を分類し,さらに,項目ごとの粒度を設定する必要がある.さらにこの項目ごとの書籍間での比較する必要があることが明瞭であるため,研究成果報告ができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
教育ツールは2012年6月を目処に改良を行う.ツール改良後に,アルゴリズム的思考法教育の実施を行う.また,アルゴリズム的思考法教育の実践教育の対象を,研究計画で予定していた工学系大学だけでなく,現在までアルゴリズム的思考法教育を行っていない文系大学での実施を行う予定である. 論理的文章教育での調査では,調査内容を変更し,当該年度中に行ったサンプル調査で明らかとなった「論理的な文章の共通項があること」,「 論理的な思考に関することと,文章技術に関することに分類できること」の2つの分類について,調査対象書籍を広げ,6月を目処に,論理力に関する記述(項目)を分類を決定し,項目ごとの粒度の設定も行ったのち,アルゴリズム的思考との比較,分析を8月を目処に行う.その後,文章構造パターンの要素を分析し, アルゴリズム的思考法教育で実施するための「書き方ルール」を作成する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は,アルゴリズム的思考法教育,論理的文章教育ともに,計画時より大幅な遅れが生じたこと及び当該年度に学会等での成果報告を行うことができなかったことから,当初予定より未使用額が生じたが,次年度は,当該年度と合わせた成果報告を行うための旅費が必要であることから,研究費の使用を計画している. また,計画時に予定していた工学系大学だけでなく,次年度,移動先大学でアルゴリズム的思考法教育を行う予定となったことから,移動先大学で使用するための改良が必要となる.これらのことから,計画時より教育ツールの大幅な改良が必要となったため,昨年度使用していない研究費を用いて改良を行う.さらに,この教育ツールはWeb上で動作する仕様であるが,移動先大学でのネットワーク環境が整っていないため,移動先大学でのネットーワーク環境の整備が必要となる.そのため,教育ツールを利用するためのサーバを複数台用意する必要があることから研究費を使用する計画である. 論理的文章教育での調査では,調査対象書籍を広げ,アルゴリズム的思考との比較を行う.このため,書籍購入としての研究費の使用を計画している.
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Research Products
(2 results)