2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501106
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高瀬 治彦 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10283516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴岡 信治 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 教授 (30126982)
川中 普晴 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30437115)
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Keywords | 教育支援 / 自然言語処理 / データマイニング / データ可視化 |
Research Abstract |
本研究の目標は,「多人数の演習においてリアルタイムに,講師が学生指導をできるように支援すること」であった.その中で初年度である平成23年度には,「全学生の学習活動を保持することで,各学習者の理解状況を正確に同定する」についての検討をした.この検討結果は,主に平成24年度に発表した(論文1件(掲載決定),国際会議2件,国内会議3件). また,二年目である平成24年度には,「計算機により検出した学生の理解不足の兆候を分かりやすく可視化すること」についての検討をした.特に,近年急速に普及しつつあるタブレット型端末に着目し,タブレットでの情報閲覧を想定し,可視化手法を検討した.タブレット型端末は,無線通信による高い携帯性と,タップ主体のインターフェイスが特徴である.そこで,教室内で持ち運び,歩きながらでも操作できるようなインターフェイスを2種類提案した.第一のインターフェイスは,注目すべき記述に気づきやすくするものであり,第二のインターフェイスはその記述をした学生の教室内での分布を分かりやすくするものである.これらの手法により,講師は教室内を巡回しながらでも,学生の理解状況を素早く把握できるようになる.これらの成果は,平成25年度開催の国際・国内会議で発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は,「多人数の演習においてリアルタイムに,講師が学生指導をできるように支援すること」であった.これに対し,講師が学生の理解状況を演習の解答群から把握するための分析方法については平成23年度に検討した.さらに,平成24年度には,その分析結果をタブレット端末を用いて提示する方法について検討した.これらの成果は,以下に記すように「おおむね順調に研究が進展している」状態であると考える. 研究実績の概要の項に示したように,これまでの研究の成果により,演習の解答から講師に主要な誤りに気づくための情報を自動で抽出し,講師の持つ携帯端末に表示するための方法が確立された.これらの手法は,簡単な評価実験により,講師の支援に役立つことが示された.予定より多少遅れているのが,システムの実装が簡単な評価実験を行う程度のプロトタイプの実装までしか進んでいない点である.この点については,今年度に一般に利用できるよう実装し,それを用いて試験運用・評価を行う予定であり,問題ないと考える. 以上を総合すると,本研究の進捗は手法は確立しておりシステムの実装評価を残すのみである滋養対であり,「おおむね順調に進展している」といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目標は,「多人数の演習においてリアルタイムに,講師が学生指導をできるように支援すること」であった.これに対し,演習の解答を通じて講師が学生の理解状況を把握するための方法の提案およびプロトタイプの実装は,平成24年度までに実施できた. そこで平成25年度は,この方法を正式なシステムとして実装し,試験運用をつうじて評価をしてゆく.このシステムの効果の測定は,講師が助けになったと感じたかどうかによるものが第一義である.しかし,これだけでは定量的な評価は難しいため,講義風景の録画映像の分析等を通じて,学生の犯した誤りを把握するまでの時間等を計測することで,定量的な評価も試みる.また,試験運用の結果を受けて必要な改善も行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,今後の研究の推進方策の項に記したとおり,システムの完成・運用をめざす.また,運用結果の分析も併せて行う. そのため,ビデオ等による講義風景の分析を行うため,ビデオカメラおよびその分析用の計算機を購入する.これらを利用し,インターフェイスの検討・実験を行う予定である.また,平成24年度および平成25年度の研究成果発表のため,学会参加費・旅費・論文印刷費も計上している.現在,国際会議2件,国内会議3件,投稿論文1件を予定している.さらに,システム開発・データ分析のためのアルバイト雇用の費用も計上している.
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Research Products
(6 results)