2011 Fiscal Year Research-status Report
「作ることによる学習」と「誤りからの学習」を統合するモデリング学習環境の開発
Project/Area Number |
23501107
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀口 知也 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (00294257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶋 宗 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10238355)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | モデリング学習環境 / 定性推論 / 誤りへの気づき/修正 / ロバストシミュレータ / 制約の意味論 |
Research Abstract |
本研究において開発を目的とする「誤ったモデルの振る舞いに対する適応的説明機能を持つモデリング学習環境」は,次の6つのモジュールから構成される.すなわち,(1)GUIによりモデル部品を組合せてモデルを作成するモデル作成インターフェース,(2)作成されたモデルを内部の形式表現に翻訳するモデル翻訳器,(3)形式表現されたモデルの計算可能性をチェックした上でその振る舞いを計算するロバストシミュレータ,(4)学習者の作成したモデルと正しいモデルを照合して両者の差異を同定するモデル照合器,(5)両者の差異に基づき作成されたモデルの振る舞いを説明する説明生成器,(6)モデルを構成する制約群の物理的意味を格納した知識ベースである.また,補助的システムとして,(7)対象系とその正しいモデルを問題作成者が記述するためのシナリオ作成支援ツールを作成する. 平成23年度は,当初,モジュール(1)~(3)を実装する予定であったが,これらの実装が予定よりも早く完了したため,引き続き(4)及び(5)の実装を開始し,実装をほぼ完了した.各モジュールの単体テストの結果は良好であり,これらを統合しての動作検証においても,問題ない動作を確認した.中核モジュールである(3)の実装には,当初の予定通りQSIMを用いたが,推論効率の改善のため,定性プロセス理論の適用を検討中である.また,(4)の開発にあたり,当初予定にはなかったが,研究代表者の在外研究滞在先のForbus教授の協力を得て,SME(構造写像エンジン)を組み込み,効率性・汎用性を大幅に改善した.引き続き(5)及び(6)の実装を行い,システム全体として統合すると共に,(7)の設計・開発を進めていく. 現在までに完成している試作システムについて,国際会議及び国際ワークショップにおいて研究発表を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本システムを構成する6つのモジュール(「研究実績の概要」参照)の内,平成23年度の当初計画であったモジュール(1)~(3)の実装が予定よりも早く完了したため,引き続き(4)及び(5)の実装を開始し,実装をほぼ完了した.各モジュールの単体テストの結果は良好であり,これらを統合しての動作検証においても,問題ない動作を確認した.中核モジュールである(3)ロバストシミュレータの実装には,当初の予定通りQSIMを用いたが,推論効率の改善のため,定性プロセス理論の適用を検討中である.また,(4)モデル照合器の開発にあたり,研究代表者の在外研究滞在先のForbus教授の協力を得て,SME(構造写像エンジン)を組み込み,効率性・汎用性を当初予定よりも大幅に改善した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,モジュール(5)及び(6)の実装を行い,他のモジュールと併せてシステム全体として統合し,動作検証を行う.さらに,ユーザインターフェース(モデルの作成,及びシミュレーション結果・説明の表示)に関わる部分については,被験者を用いた予備テストを計画し,当初設計の改良を重ねることも視野に入れる. モジュール(7)に関しても設計・開発を進め,可能であれば物理教師の協力を得て,システムの実地での使用を視野に入れた改善を行っていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に購入したシステム開発用計算機及びシステム開発補助用計算機を用いて,本システムのモジュール(5)及び(6)を完成した後,各モジュ-ルの単体テストを各機で行うと共に,モジュール(1)~(6)の統合及び検証を行うために,システム統合検証用計算機を新たに購入する.開発補助及び資料整理のための学生雇用費も発生する. 研究成果の発表を,国際会議において1回(6月),国内学会において2回程度予定している.また,研究に関する調査・資料収集,及び打ち合わせを各2回程度行う予定である.
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Research Products
(2 results)