2014 Fiscal Year Annual Research Report
学習履歴データを活用した外国語リスニング学習支援システムの開発及び実践的評価
Project/Area Number |
23501108
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
康 敏 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60290425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 治美 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 教授 (60343349)
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 学習履歴データの分析 / リスニング学習 / 単語認知 / 誤りの検出 / 学習支援システムの構築 / データマイニング / 統計的アプローチ / 外国語学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英語リスニング学習の際に蓄積する学習履歴データをターゲットにして分析を行い,統計的アプローチとデーマイニング法を取り入れ,個々の学習者またはグループの音声理解に支障を来たす可能性のある音声を自動的に検出し,検出した音声知覚の弱点に合わせて訓練教材を生成する学習支援システムの構築を目指してきた. これまでに構築した学習者の音素への誤認パターンをSequential pattern mining法によって解析し,訓練教材を生成するシステムをベースにし,平成26年度では,ベイズ統計による学習者の音素知覚の弱点を推測する機能を実装し,評価を行った. 評価では,JACET語彙リストの英単語を二つのレベルに分け,システム経由で単語ディクテーション問題テストを実施した.テスト毎の履歴データとテストの累積履歴データ別にベイズ統計による推測結果を比較した結果,テスト毎の結果が激しく変動することに対して,2,3回のテストの累積履歴データからは安定した推測結果が得られることが判明した.即ち,英単語のリスニング学習においては,40個~60個の学習履歴データがあれば,ベイズ統計によって正しく学習者の音素知覚の弱点を見つけ出すことは可能である.一方,Sequential pattern mining法による音素への誤認パターンをテスト毎のデータから検出することが可能であるが,ベイズ統計の場合と同様に,少ないサンプルからの検出結果は安定的ではない.よって,ベイズ統計によって累積学習履歴データから正しく学習者の音声知覚の弱点を見つけ出した上にSequential pattern mining法を用いて誤認パターンを検出するという組み合わせの手法はそれぞれの手法を単独に用いるより,学習者の実際の弱点を見つけ出すことに有効であるとの結論に至った. 平成26年度では,センテンスなどの学習履歴データに対しても音節レベルなどにおける解析手法及びシステムの構築について研究を行った.
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