2012 Fiscal Year Research-status Report
リフレクティブ・ナビゲーション戦略に基づく授業デザインと授業改善システムの研究
Project/Area Number |
23501121
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
横山 宏 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (20249452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 公廣 名古屋学院大学, 商学部, 教授 (20099831)
正木 幸子 大阪商業大学, 経済学部, 教授 (30249445)
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Keywords | 学習者特性の把握手法 / 授業デザイン / 教育力育成 / ナビゲーション戦略 / 大学教育 |
Research Abstract |
H24年度の成果は、①H23年度に開発した「気分、授業へ参加意識、授業への準備、授業への期待など」の状態を把握する「授業への気分・準備調査シート」を用いて授業実践を行ない、学習者のデータを得た。このシートは、「学生視点」から導き出した6つ質問項目(気分、授業への参加意識、授業への準備と結果、授業への期待と結果、授業内容に対する満足度、座席位置と選択の理由)を用いているのが特徴である。②次に、このシートから把握した学習者の授業時の状態を授業者の授業プランに取り込むために、あらたに「教案シート」を開発した。これは、授業全体の教案、指導方針、結果の記載を基本としている。授業の内容や科目の到達目標についてはシラバスに明記しているため、このシートには、シラバスに沿って、授業前には内容や手順、時間配分、準備物といった計画を、授業後には学生の理解度や気づいたこと、次週への注意などを記入するものである。さらに「授業への気分・準備調査シート」から得た学習者の情報なども記入し、翌週の教案に反映することで、高い学習効果を与えられる授業にすることができると考えたものである。③研究協力者らとともに、これらのシートで授業実践を行ない、データを得て、分析を行なった、この結果を論文に投稿した。また、「教案シート」にもとづく多人数型の授業における個別指導などの授業実践アイディアを研究協力者とともに国際学会で発表した。さらにこの成果を踏まえた研究内容で、研究協力者の博士号(情報学)取得に貢献した。これらの貢献の過程(公聴会や論文掲載など)により、理論的枠組みについての成果には、一定のものが得られたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画とした「把握した学習者の状態の授業デザインへの取り込み・授業実践」、「理論的枠組みの検証」、「実践(含む実践性の検証)」は、論文掲載で達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したシートによるPDCAサイクルの確立を行なう。現在までに、セルフ・ナビゲーションシート(「教案シート」)、リフレクションシート(「授業への気分・準備調査シート」)は開発し、実践性を確認している。今後は、ナビゲーションシート(ベテラン教員による内容の不足や偏りがないかなどを検討し適切な指導)の仕組みを確立し、授業デザインへの効果を測定し評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ナビゲーションシート(ベテラン教員による内容の不足や偏りがないかなどを検討し適切な指導)の開発のために、大学でのベテラン教員を招き、公開で研究討論会を行なう。また、複数の教育系学会にも研究論文を投稿し、その評価を得て、教育手法の強化を行なう。これらの活動に、物品費、旅費、人件費・謝金、その他の経費をあてる。また、調査実施と結果整理には、大学院生や学部学生のアルバイトを使う。
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