2012 Fiscal Year Research-status Report
動画像解析による学習・教育情報の検出技術に関する研究
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23501122
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
越智 洋司 近畿大学, 理工学部, 講師 (80314847)
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Keywords | 教育工学 / 動画像認識 / 教育・学習支援 / 動作解析 / インタフェース |
Research Abstract |
学習・教育情報検出の対象となる諸問題の調査と適用モデルの検討については、スクワットの訓練支援システムを新たな研究対象とし研究開発を行った。本システムでは、Microsoft社のKinectセンサーを利用したアプリケーションであり、昨年度蓄積した開発ノウハウを元に、実装と評価実験を行い、動画像解析処理が適用可能な教育環境として有効性が示された。本成果は、教育システム情報学会論文誌、国際会議にて発表報告した。 カメラ制御システムについては、昨年度の成果においてカメラだけを利用する従来の枠組みでは精度上の問題が見えてきたため、他の関連技術を併用するモデルの必要性が明らかになった。この点については、赤外線を利用した深度情報を利用し、昨年度開発したベースシステムに組み込むことで、精度向上が期待できることがわかった。本成果は国際会議にて発表報告した。 タブレット機器を利用したシステムについては、タブレット上でのペン操作の認識と解析モジュールの試作を進め、国内での学会発表にてそのニーズが示唆された。 動画像解析技術に関する調査については、OpenCVライブラリを利用したプロトタイプシステムを開発しながら、カスタマイズのノウハウを蓄積することができた。また、赤外線を利用した深度情報を利用することで、身体情報以外への適用についても検証システムを開発し、学習教育支援への応用可能性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習・教育情報抽出のための動画像解析技術の開発については、Kinectを利用することで幅が広がり、身体情報だけでなく、それ以外のデバイスの認識処理など、様々な支援モデルが可能であることが示唆できた。そして、プロトタイプの実装を通して、深度情報が有効に機能することが明らかになり、各種デバイスの活用や、認識精度の問題がより解決する可能性が見えてきた。 学習・教育情報検出技術を応用した教育支援システムの開発と動作検証については、カメラ制御システムの他にスクワット支援システムのように人間の身体動作を対象としたシステムへと適用範囲が広がり、動作検証を通してその有用性やさらなる問題点も確認することができた。研究成果は学会誌と国際会議で報告しており、これらの成果を元に研究を発展させる目処がたった。 カメラ制御については、教室内といった場を考慮した試行に至っていないため、今後検討しつつ先行研究の調査を進めて動画像解析の独自実装を目指しその技術的基盤を確立する必要がある。 また、当初計画していた個人認証技術の利用に関しては、試作システムの開発には至っていないが、支援対象の選定に目処がたっており開発に着手できる段階となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの成果を元にしながら動画像解析による学習・教育情報の検出方法の多様化と、現在までに作成してきたシステムの完成度を高め、より実践環境に近い状況での評価実験を行う。動画像解析による学習・教育支援が適用可能な対象領域については、現在設定している、カメラ制御、スクワットの他、身体動作とデバイスを組合わせた対象領域の選定と支援モデルの構築、システム実装をすすめ、正体的な研究成果の広がりを追求する。また、当初の計画に挙げていた顔認識などの個人認証技術を応用したシステムにも着手する。 動画像処理の実装についてはモジュール化を意識して行い、様々な領域やシステムへの適用が可能な形にすすめていく。情報検出の精度を挙げるために、複数台のカメラに拡張して解析技術を適用するだけなく、Kinect以外のデバイス活用も視野に入れ、動画像以外のメディアや媒体を組み合わせることで、システムの有用性を高める方向に進むことを検討している。映像データの保存については、情報保護を目的に暗号化処理を含めたデータ管理方法を設定・実装する。動画像解析技術については、まだ調査が必要なところもあるため、システム実装と並行して学会やセミナーなどで調査を並行する。研究成果については、国内学会、国際会議だけでなく学会誌への投稿を行なう予定である。また、開発したシステムのモジュールは一部インターネットにて公開することを視野にいれる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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