2012 Fiscal Year Research-status Report
マンガを構成要素とした情報倫理学習プログラムの研究開発と評価
Project/Area Number |
23501129
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 成玄 北海道大学, 情報基盤センター, 特任教授 (70169134)
|
Keywords | マンガ / 情報倫理 / 1コマ / 4コマ |
Research Abstract |
本研究の目的は、マンガを構成要素として効果的な情報倫理学習プログラムを具現化すること、またその学習効果と学習者の到達度を評価することにある。本研究では、特に、作者の意図が凝縮された1コマ、4コママンガを中心に、マンガから問題意識を推察させ、学習者が感じる多様性を活かし、協調的な学習の中で問題解決を図る学習構成を構築することを検討する。 平成24年度は、平成23年度に収集したマンガ教材では不足していた教材を補強・開発するとともに、望ましい情報倫理の学習プログラムを検討した。補強教材としては、近年盛んになっているSNS等のソーシャルメディアが及ぼす影響(例えば、自分の好みの世界だけに没入する等)を喚起するマンガ教材を開発した。また、学習者として、初等中等教育から高等教育までの学習者を主対象にしているが、特に初等中等教育においては、保護者に向けた情報倫理教育教材も必要と考えられる。その目的で、家庭生活における情報化の及ぼす影響を示唆するマンガ教材も開発した。 情報倫理の学習プログラムとしては、2つのタイプを開発した。一つは、学習者自身の作成した文字表現(短歌)を基にした「連想マンガ」を開発する中で、マンガ表現としての独自性(著作権)をどのように理解するかを目的としたものである。2つ目は、開発した1コマ、4コママンガから感じる問題意識を表現し、学習者による多様性を確認する中で、新たな情報倫理教材を開発するプロジェクト型の学習プログラムである。 また、情報倫理のストーリマンガに関する翻訳を進め、韓国高麗大学のOCWとの連携のための教材とするなど、海外に向けての成果公開についても試行した。また、中国東北師範大学で、マンガ教材の調査を行った。その評価・分析は、今後行う予定である。 本年度の知見を活かし、最終年度は、研究の統括を行うとともに、論文にまとめていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報倫理における学習項目のうち、平成23年度に開発した教材で不足する教材を補充・補完するとともに、情報倫理教育を異なる形式の授業で実践を行うことができた。また、社会的な情勢として、日中韓で連携した情報倫理教育を行うことが難しい中、共同研究を進めるとともに、マンガの調査、及び公開を海外との連携で進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
差額であるが、まず、情報倫理マンガ教材の補足・補完マンガの開発を続けており、その納品物が、約40万円既に使用済みである。残りの約80万は、当初予定では、中国、韓国での調査費用であった。その部分は、実際に各国の研究協力者の協力により、費用を要さずに調査可能になる予定である。そのため、差額80万円は、この2年の知見で得た、新規教材開発に用いる。これまでは1コマ、4コマのマンガを開発し、情報倫理教育を進めたが、新規教材タイプとして、マンガとセリフから構成される「中高大学生のための情報倫理絵本」の構想を得て、開発を進めているところである。この開発を含め、総合的なマンガを構成要素とした情報倫理の学習プログラムを構成していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上で述べたように、基本的には、差額部分は、新規タイプの教材開発に充てる。その他は、当初計画通りである。即ち、研究打ち合わせ及び成果発表のために、旅費50万円を計上する。調査結果の分析のために、15万円を計上する。また、新規マンガ教材と論文別刷等のために、15万を計上する。
|
Research Products
(13 results)