2013 Fiscal Year Annual Research Report
マンガを構成要素とした情報倫理学習プログラムの研究開発と評価
Project/Area Number |
23501129
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 成玄 北海道大学, -, 名誉教授 (70169134)
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Keywords | マンガ / 情報倫理 / 1コマ / 4コマ / 創作性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,マンガを構成要素とした効果的な情報倫理の学習プログラムを開発し,その学習効果についての評価を行うことにある。特に,著者の意図が凝縮された1コマ,4コママンガを中心に,マンガから問題意識を推察し,またその問題意識の多様性を活かし,協調的に問題解決を図る学習構成を構築することを検討してきた。従来,事例紹介とルール順守を単に学ぶことが多いと思われる情報モラル・情報倫理教育を根本から変える可能性のある学習となり得る。例えば,どこまでを創作的な表現とみなせるのかを確認させるため,学習者自身に一コママンガの吹き出しに独自セリフを入れさせ,当該行為が著作権的にどのような位置づけになるのかを学ばせる。言語表現と絵の総体として表現される一コママンガで,何が最も創作性に寄与するのかを学習者目線で考察させ,学習者による多様性を認識させるものである。本研究で開発した学習プログラムを例示する。1)ネット依存、個人情報の漏えい等を想定した4コママンガを複数提示し,学習者に選択させる。当該マンガの問題点と解決案を各自考えた上で,4-5人の小グループでまとめさせる(平成23年度実施)。2)学習者自身が作成した文字表現(短歌)を基にした「連想マンガ」を開発し,文字表現,連想マンガ,連想文字表現といった,著作物の派生を実体験させ,著作権と二次的著作物についての理解を深める(平成24年度)。3)画面構成が同じでタッチが異なる2種の一コママンガを,セリフの有無により同一の著作物とみなすかみなさないかを元に,何が著作物の創作性に寄与するかを考察させ,著作権の創作性についての意識を高める(平成25年度),等である。最終年度に行った一般を対象とした調査では,著作物の創作性について,「そのような視点で考えたことはなかった」「面白い」といった肯定的な意見が寄せられ,生涯学習としての学習可能性も示唆された。
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Research Products
(8 results)