2012 Fiscal Year Research-status Report
タブレット端末を用いた聴覚障害者のための字幕情報保障システム
Project/Area Number |
23501133
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
皆川 洋喜 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00273285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 知之 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (70310191)
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (80310192)
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (60291853)
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Keywords | 聴覚障害 / 情報保障 / 字幕 / 要約筆記 / 音声認識 |
Research Abstract |
平成23年度に設計・開発した、聴覚障害者が同席する講義および会議の場面を想定した字幕情報保障システムについてまとめ、オーストリアのリンツにおいて7月に開催された国際会議ICCHP(International Conference on Computers Helping People with Special Needs)で研究発表を行なった。研究の背景、システムの作成及び作成者らによる試用と問題点について報告した。Universal Learning Designの発表セッションにおいて、各国の聴覚障害者らが多数参加する会場で、聴覚障害者自身の立場からの意見や、各国事情の違いなど、様々な有用な意見交換をすることができた。 また、チェコ共和国ブルノにおいて2月に開催されたUniversal Learning Design International Conference Brno 2013に参加し、情報収集を行なった。この国際会議には各国の聴覚障害者が多数参加し、ここでの情報保障にはPolygrafという字幕配信システムが採用されており、その実際の動作を体験し、直接説明を受けることができた。Polygrafは言語間通訳や文字・手話通訳など、非常に多くの人的パワーを必要とする点で我々の提案するより手軽なシステムとは思想が大きく異なるが、誰でも自由に使える点、クライアントはフリーで配布している点、プレゼンテーションファイルと字幕を同時に配信しているなど、弱視の聴講者にとっても、また外国人の参加者にとっても有用である点などが、今後のシステム改良の方向性として大いに参考になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実際に聴覚障害者を対象とした評価実験を行う予定であったが、システムの改良、発表準備、学内業務等により行なうことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行った国際会議での発表および調査結果に基づいて、システムを改良する。 また、実際に聴覚障害者を対象として評価実験を行い、システムを評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額(B-A)について、学内業務等により評価実験を行うことができなかったので、これを評価実験に必要な機材(タブレットPC等)の修理および購入、評価実験の記録のための機材(記録メディア等)の購入、実験補助者への謝金等に充当する。 この評価実験の結果を受けて、翌年度請求分の研究費を、システム改良のための開発費および必要なソフトウェアの購入、国内での発表のための旅費、報告書の作成費に充当する。
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