2013 Fiscal Year Annual Research Report
直観的なメディア特性に基づいた情報教育のための教材に関する研究
Project/Area Number |
23501134
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
内木 哲也 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70223550)
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Keywords | 教育工学 / 実験教材開発 / コンピュータ・リテラシー / 科学教育 / 情報教育 / 情報メディア / 教育情報システム |
Research Abstract |
本研究は、現代の教養であるコンピュータの基本原理である電子演算機構の動作を、光や音、物質的動作などの具体性のあるメディア表現により直観的に把握できると共に、自ら設計した論理回路を実地に組み上げ動作検証することで主体的に学習できる教材の開発を目的として実施された。具体的には、電子演算機構の動作をリレースイッチの動作として直観的に把握させると共に、学習者の意図する論理回路の動作を実験的に検証できる教材として、大型のリレーのような電気機械的機構による論理演算ブロックを開発すべく研究を推進してきたわけである。 本研究で実施した電子式論理演算ブロックを用いた予備実験、およびリレー式論理演算ブロックを用いた比較実験を通して、最終的に設計すべき論理演算ブロックへの要求事項に対して以下のような対応策が有効であることが明らかになった。 ①学習者が動作を実感するためには、駆動機構自体を視認すること以上に機械的作動音が重要であり、②動作連係の把握は機械的駆動装置の動作や状態を視覚的に追跡よりも入出力口での論理値の視認が効果的で、③動作連係の直観的な把握にも連係を感ずることができる微妙な時間差を伴った機械的作動音こそが重要であることが明らかとなった。 研究を通して得られた以上の知見に基づいて最終的な研究成果である論理演算ブロックを設計し、試作した。但し、実感が得られる機械的動作音については実際のリレー作動音以上に効果的な音源を見出すことができず、電子素子による駆動機構およびLEDによる視覚的な状態表示を用いながらも、音源としてラッチ型リレーを用いたものとなった。 試作した教材を教育現場での実験的実践を通して期待通りの成果が得られることを検証すると共に、ラッチ型リレーを採用することによる接続の自由度と動作の安定性についても実践的に検証し、教材として安定的に使用できることを確認した。
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