2012 Fiscal Year Research-status Report
全学的教育基盤システムとしてのLMSの活用支援と普及過程モデルの分析
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23501142
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
興戸 律子 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 助教 (00362179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 直樹 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (30252117)
村瀬 康一郎 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (80150027)
伊藤 宗親 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (10282310)
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Keywords | e-ラーニング / 教育システム / システム分析 / 普及過程モデル / 高等教育 |
Research Abstract |
平成24年度は、(1)平成18年度から平成23年度までの6年間の利用推移の分析と要因の検討を行う。ロジャーズの普及過程モデルへの適合性を検討し,採用の意思決定に関係する要因を抽出する。(2)活用タイプと採用の意思決定の関係を明らかにする。授業場面における積極的なシステム採用者の活用方法を分析し,活用タイプをアクセスログから検討するための基礎的指標を抽出する。(3)採用の意思決定過程に影響する普及支援方策の手がかりを得る。利用状況の分析より大学の施策等をはじめLMSの利用の可否に関する要因を検証し、今後の利用支援の手がかりを得ることである。 平成23年度に構築した学習履歴分析システムを用いて、分析の基礎的指標となる①AIMS利用率、②コース/コミュニティ別アクセス,③利用コース,④利用時間帯について平成18年度から23年度までの6年間の蓄積されたアクセスログから身分別、所属別、月別、機能別に詳細な処理を行い、普及方策の検討資料を作成し、大学の組織であるAIMS-Gifu活用ワーキングへ提供した。また、学生、教員を対象にAIMSについてのアンケート及び聞き取り調査を行い、利用状況を調査した。 さらに、授業で利用している人数(利用規模)別に利用率、機能の分析を行い、利用しやすい授業規模、機能についての検討を行った。また、教員が授業で利用する機能別に詳細な分析を行った。個人別では、初心者とアクセス数の多い利用者(ヘビーユーザ)で、利用している機能について分析を行い、利用の状況を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)2003年から2012年までの10年間の利用推移の分析や蓄積されたアクセスログの分析により,ロジャーズの普及過程モデルへの適合性を検討し,普及過程モデルを明らかにするために、平成23年度に構築した学習履歴分析システムを用いて平成18年度後期から23年度前期までの学習履歴を、基礎的指標をもとに年度ごとに分析を行い、利用の推移を明らかにした。 (2)システム利用に対する意識調査を実施し,全学的教育基盤システム利用における意思決定過程,及び教育の質の向上や教育機会の拡充の目的に対してどのように認知され,活用を促進する支援方策や組織体制,活用場面の拡張などについて,分析しその要因を明らかにするために、半期ごとに教員、学生を対象に利用状況についてアンケートを実施し、結果の分析を行った。しかし、その結果を活用促進ための支援方策、組織体制に提案可能な状況には至っていない。 (3)採用の意思決定過程の要因から現状の支援方策の課題を分析し,「知識」「説得」から「決定」に係る意思決定を促進するための情報や「決定」から「導入」「確立」に係る研修の在り方等について検証するために、平成23年度の分析結果から、AIMSの授業における利用は、教員の意思によるものが大きいことが明らかとなり、教員の利用する機能の経年変化から各機能の増減について分析を行ったが、それに対する研修内容についての検討には至っていない。 (4)教育の質の向上を目的としたオンキャンパスにおける教育基盤システムを利用したeラーニングの活用形態をアクセスログから分析するとともに,指導教員への調査等を実施することで活用タイプを分類するために、平成18年度後期から23年度前期データについては、各基礎的指標をもとに、活用状況の分析を行ったが、授業の内容による分析など、さらに詳細な分析が必要と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、普及過程,採用の意思決定,活用タイプの要因を分析し,支援方策を検討し計画する。 授業における学習成果目標,受講者数,教育環境等による活用タイプを採用するための条件について,授業の内容による分析など、さらに詳細な分析を行う。平成24年度に予定していた分析結果の印刷費が認められなかったために、平成25年度に繰り越し、平成23年度後期以降のデータを分析するために学習履歴分析システム改修のための費用とし、平成25年度に取得可能なデータまで処理を行う。 教員研修の実施内容を従来の説明研修からワークショップや開発研修へと変更し,「説得」「決定」「導入」に焦点をあてた意思決定への影響を分析し,研修における支援方策の在り方を明らかにする。さらに,採用の意思決定に係る「知識」の構成要素を検討する。 基礎的分析指標等による分析結果から,経年的な教育環境,教育体制等の影響を加味して,普及過程,採用の意思決定に係る要因を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、大量のデータを保管するためのハードディスク等の記憶媒体、最新バージョンのソフトウェア、データ履歴分析システムの改修のための謝金、学会発表のための旅費、ノートパソコンが必要である。また、学内組織(AIMSワーキング)への分析結果提供のための資料作成費が必要である。
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