2012 Fiscal Year Research-status Report
Webベースプログラミング学習支援環境のための柔軟なサーバー側基盤の構築
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23501152
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
香川 考司 香川大学, 工学部, 准教授 (50284344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 浩之 香川大学, 工学部, 准教授 (80253251)
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Keywords | e-ラーニング / プログラミング |
Research Abstract |
Scala 言語上の Web アプリケーションフレームワーク Lift を利用する Web ベースプログラミング学習支援システムのためのサーバー側プラットフォームのうち、主に教師向けシステムの機能の主要部分を実装した。まず、2011年度にいったん棚上げしていた Lift のユーザー認証と JavaServlet で動作する既存のシステムのユーザー認証の統合を実装した。また、提出後の一括自動採点・成績処理を Scala スクリプトでカスタマイズするために、インタプリター(いわゆる read-eval-printループ)とのインターフェイス(スクリプトを動的に評価する機能)を実装した。細粒度のカスタマイズが可能で、表形式の出力などでも十分な実行速度が得られることを確認している。また、カスタマイズのために教師が入力したスクリプトを、再利用できるように保存する機能を実装した。 学習者向けシステムは、実装に着手できていないが、教師向けシステムと学習者向けシステムの間にリアルタイムコミュニケーション機能を導入するときに必要となる、ファイルシステムを利用した疎結合インターフェイスの設計と、プロトタイプによる基本機能の確認を行っている。これにより、スクリプト機能を持つ教師向けシステムに問題が発生しても、学習者向けシステムの課題提出・出欠確認など最低限の機能には影響を与えないことが確認できた。 また本体システムと独立したタスクとして、Web ベースのブロック型ビジュアルプログラミング環境である Blockly および Waterbear の調査とプロトタイプの作成を行った。最終的には本体システムのスクリプト入力支援部分に使用する見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度の遅れが回復できていない。特に Lift の標準的なユーザー認証方法と、これまで授業で運用していたサーバー側システムのユーザー認証方法の統合、一般的に既存の Java Servlet ベースのシステムとの互換性をとるための方法は、標準的なドキュメントに記述されていないことが多く、フォーラムの過去記事を探したり、ライブラリのソースを読む必要があった。 また、統合開発環境の利用にトラブルがあってプロジェクトがうまくビルドできず、調査の挙句、当面 emacs を利用して開発することにした。 以上の作業や調査に時間を割く必要が生じたため、予定していた機能の実装に十分な時間をかけることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
提出後の一括自動採点・成績処理など教師側システムの機能のうち、プラットフォームに相当する部分は 2012 年度にほぼ実装が出来ているので、この上に実際の授業で使用する、個々の課題の採点用のスクリプトを実装し、授業で使用する。 また、学習者向けシステムを実装する。学習者向けシステム自体は、課題提出とメッセージ閲覧など既存のシステムの機能に WebSocket や Comet などによるリアルタイム通知機能だけを追加したものになる予定である。そして学習者向けシステムと教師向けシステムの間のコミュニケーション機能を実装し、ある条件を満たす学習者にだけ一斉にメッセージを送信するような記述を可能にする。 本システムが目指す機能と直接関係ないが、ユーザーの使い勝手を改善するために、今年度早々にリリースが予想される Lift 2.5 への対応、および OpenID によるユーザー認証への対応、などが必要になると考えている。 また、大学院生などの研究協力者に、引き続き Web ベースのブロック型ビジュアルプログラミング環境を用いたスクリプト入力支援部分の設計・実装に参加してもらう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
システムの実装が遅れていたために購入を見送っていた、システム公開用のサーバーパソコンは今年度購入する。授業などで多人数から同時にアクセスを受けてサービスを提供する必要があるため、マルチコアの CPU と 32GB程度のメモリを搭載することを予定している。 国内の学会は 2011-12年度と同程度(5~6回)、発表・参加を予定している。 2011-12年度は参加を予定していた春の国際会議が入試日程の関係で参加できなくなったため、2013年度は夏頃と翌年春の 2回、国際会議で発表したいと考えている。
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Research Products
(6 results)