2011 Fiscal Year Research-status Report
学習者群が示す高次規則性の解明と学習の環境最適化への応用
Project/Area Number |
23501170
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石川 浩一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 研究員 (00468547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 裕 青山学院大学, 付置情報科学研究センター, 助教 (10316888)
古川 雅子 筑波大学, 留学生センター, 研究員 (20617287)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教育工学 / e-ラーニング / e-learning / 複雑系科学 / ベキ分布 |
Research Abstract |
研究実施計画に沿って研究を進めた結果、1. 「高次規則性の存在の確認の継続」における、(1)「収集済データの分析継続と新規規則性の有無の確認」に関しては、従来分析対象としていた範囲より、長期の学習履歴データを対象とした場合にも、依然、同様の高次規則性が確認できるとの結果が得られた。本成果を査読あり国際会議論文1編(第1著者)として公表した(13. 研究発表 [雑誌論文] 第2項目参照)。 また、1. における (2)「結果一般性(ないし限界)検討」に関しては、従来より多くの e-learning システムの学習履歴データを対象として分析を進めるため、対象範囲の拡大に努めた。その1つが、兼務先の筑波大学留学生センターで構築中の、日本語・日本事情遠隔教育用 e-learning カリキュラムである。当該 e-learning システムに関して、査読あり紀要論文1編(第3著者)を公表した([雑誌論文] 第1項目参照)。 2.「確認された高次規則性の妥当性確認の継続」に関しては、関連論文のサーベイ他を継続し、当初の目的である「検証手法の洗練化」及び「検証ツールの整備・拡充」の準備を進めた。 さらに、2. 及び 3.「高次規則性生成メカニズムの検討」に関連して、高次規則性が創発する条件や初期値依存性等に関する、理論指向かつシミュレーションベースの研究も進めた。既に、本成果を論文として執筆済であり、近日中に英文学術誌への投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H23 年度は、主に収集済データの分析・国際会議/紀要/学術誌論文の執筆/公表に注力した。この結果、それ以外の項目に関する進捗が、全般的に遅れ気味となった。 また、研究実施計画に記述した、1.「高次規則性の存在の確認の継続」中、(2)「結果一般性(ないし限界)検討」に関しては、分析の対象とする e-learningシステムの拡大のため、兼務先の e-learning カリキュラムを範囲に含めるものとした。しかし、当該カリキュラムのストーリの策定・執筆・映像マテリアルの準備等に進捗の遅れがあり、構築・公開が、当初のスケジュールより遅れ気味である。このため、学習履歴データの収集・分析は今後という状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に記述した、1.「高次規則性の存在の確認の継続」(1)「収集済データの分析継続と新規規則性の有無の確認」に関しては、国際会議論文の成果と、後述する研究成果を併せ、学術誌論文としての発表準備を進める。一方、1. (2)「結果一般性(ないし限界)検討」に関して、分析の対象とする e-learning システムの拡大のため、H23 年度システム構築作業に携わった、兼務先における e-learning カリキュラムの他に、兼務先の別の部署で構築・公開されている e-learning カリキュラムの学習履歴データを入手し、共同で分析・研究を実施する調整を進めている。 また、2.「確認された高次規則性の妥当性確認の継続」に関して、「検証手法の洗練化・検証ツールの整備/拡充」における、進捗の遅れを取り戻すため、研究計画に記述した「研究協力者の支援」、若しくは研究実施体制の強化・拡充も視野に入れ、調整中である。 さらに、 (3) 高次規則性生成メカニズムの検討に関しては、マルチエージェントシミュレーション実験結果の拡充・分析の精緻化を図り、研究実施の概要で記述した英文学術誌論文の採録を待って、続報執筆の準備を進める予定である。一方、進捗に遅れの見える「被験者実験のデザイン」等に関しては、前段の研究実施体制の強化・拡充とも併せ、対策の調整を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在までの達成度に記述した状況のため、H23 年度は研究費の執行が遅れ気味であった。H24 年度以降、シミュレーションや被験者実験環境の整備・拡充、理論面の補強のための参考図書購入、国際会議等での情報収集・意見交換・成果発表等、本格的な執行を進める予定である。 研究実施計画における、1.「高次規則性の存在の確認の継続」(1)「収集済データの分析継続と新規規則性の有無の確認」に関しては、学術誌論文の執筆・採録後、掲載料等が発生する。また、1. (2)「結果一般性(ないし限界)検討」に関しては、分析の対象とする e-learning システムの拡大のため、上記の通り、兼務先の別の部署で e-learning カリキュラムの構築・公開に携わっている研究者と、共同で分析・研究を実施する調整を進めており、当初予定のなかった研究分担者の研究費負担が発生する可能性がある。 また、2.「確認された高次規則性の妥当性確認の継続」に関しては、投稿予定の英文学術誌論文の採録決定後、掲載料等が発生する予定である。さらに、「検証手法の洗練化・検証ツールの整備/拡充」に関しては、研究実施体制の強化・拡充も視野に入れており、今後、研究分担者の研究費負担が発生する可能性がある。 なお、3.「高次規則性生成メカニズムの検討」に関しても、主に被験者実験のデザイン等に関して、2. と併せた研究実施体制の強化・拡充の予定もあり、負担が増える可能性もある。
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