2011 Fiscal Year Research-status Report
高校教科「情報」の実態調査と大学初年次の情報リテラシー教育に関する研究
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23501184
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
山崎 初夫 名城大学, 情報センター, 教授 (60174645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 幸正 名城大学, 情報センター, 教授 (20076756)
村上 広一 名城大学, 情報センター, 准教授 (40387767)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報リテラシー教育 / 高校教科情報 / 大学初年次教育 / アンケート調査 |
Research Abstract |
愛知県の国立・公立・私立の高校220校に対してアンケート調査を実施し、105校から回答があった。アンケートの内容は、高校の情報教育担当教員の基本情報、教科「情報」の授業実施概要(履修時間数等)、高校入学時の情報スキル評価実施の有無とその内容、操作授業及びIT知識学習の実施内容、授業項目内の優先度、新学習指導要領への対応等である。アンケートは、高校の担当者が直接アンケート用紙に記述・返送する方法と本学のWebサーバにインターネット経由でアンケートの回答をする方法で回収した。なお、インターネット経由での回答では、専門の業者に本学のサーバ上にアンケート回答用・簡易集計システムの構築を依頼した。回収した105校のデータを整理して解析中であるが、それによって高校の教科「情報」の授業で実施されている教育内容が分かり、今後の大学における情報教育での操作教育や知識教育の方向性がでてくると考えられる。また、このアンケートを受けて、平成24年度新入生に対して実施するアンケート内容を確定した。愛知県以外の高校における教科「情報」の授業の実態調査では、インターネット等で最近の研究成果等を検索したが、十分な情報を得ることができなかった。調査方法を見直した上で、平成24年度に再度実施し、アンケートから得られた愛知県の結果と比較することで高校での教科「情報」実施内容がより的確に確認できると考えられる。大学における情報教育の実態調査では、インターネット等で他大学の状況を調査したが、作業の遅れから十分な数の情報を得られていない。平成24年度も継続して実施し、アンケート結果との比較対照を試みたい。それによってより的確な大学初年次のカリキュラム構築の資料になると考えられる。企業の入社時に必要な情報リテラシーアンケート調査では、前提となる高校に対するアンケート調査の結果が解析できなかったため実施できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度の実施計画としては、「(1)愛知県の高等学校に対するアンケートの実施、(2)愛知県以外の高等学校の実態調査、(3)大学における情報教育の実態調査、(4)企業の入社時に必要な情報リテラシーアンケート調査」を実施する予定であった。このうち「(1)愛知県の高等学校に対するアンケートの実施」については、アンケート内容の決定に時間を要したこと、アンケート回答用Webサーバにアンケート回答用システムと簡易な集計システムの構築を依頼する業者の決定に予想以上に時間を要したためシステム構築が遅れたことから、高校へのアンケート送付が遅れてしまった。そのため、アンケートの回収は十分に行うことができた(回収率約48%)が、アンケートの解析を年度内に終えることができなかった。「(2)愛知県以外の高等学校の実態調査」については、インターネット等で最近の研究成果等を検索したが、十分な新しい情報を得ることができなかったため(1)の解析の遅れと相まって比較分析ができていない。「(3)大学における情報教育の実態調査」については、インターネットで検索して調査を実施した。しかし、作業着手の遅れから十分な情報を得るには至っていない。「(4)企業の入社時に必要な情報リテラシーアンケート調査」については、高校での情報教育の実態及び大学における情報教育の実態を踏まえてアンケート調査の内容を決める予定であったため、実施していない。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成23年度に計画していて実施できていない内容を平成24年度に実施する予定である。平成23年度に実施した「(1)愛知県の高等学校に対するアンケート」について解析を行う。並行して専門業者にアンケート結果の解析依頼をする。「(2)愛知県以外の高等学校の実態調査」については、調査方法を見直して、さらに文献検索をしてアンケートから得られた愛知県の結果と比較検討する。「(3)大学における情報教育の実態調査」については、追加の情報収集を行う。「(4)企業の入社時に必要な情報リテラシーアンケート調査」では、上記の調査の結果からアンケート調査項目を確定し、企業に対してアンケート調査を実施する。アンケート調査項目の作成及び解析については、担当教員が作成・解析するが、専門業者にも作成・解析の依頼をする。あわせて平成24年度は、まず当初計画していた「(1)新入生に対するアンケートの実施」を実施し、新入生の理解度・定着度、入学時のコンピュータ・スキル等を明らかにする。つづいて平成23年度(一部は平成24年度)に実施した高校及び大学の情報教育の実態調査結果と、平成24年度に実施する企業に対するアンケート調査結果から得られた企業が望む情報リテラシー教育の内容を比較検討して、専門課程教育のために初年次に習得が要求される情報リテラシー能力及び就職に際して企業が望んでいる情報リテラシー能力、すなわち「学士力」習得のための情報リテラシー教育の内容を明らかにする(「(2)初年次教育に求められる情報リテラシー能力の把握」)。さらに、高校における情報教育の実態調査結果や新入生の理解度・定着度と「学士力」習得のための情報リテラシー教育との差を解析して、大学での有効なカリキュラムや教育方法の検討を行う(「(3)「学士力」としての情報リテラシー教育の検討」)。研究成果報告用Webサーバ構築を専門業者に依頼する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に実施した「(1)愛知県の高等学校に対するアンケート」に対するアンケート解析用ソフトウェアを担当教員に対して購入する。そのアンケートの解析結果等を学会等で発表する。アンケートの回答に協力いただいた高校で、特定の高校に対して直接訪問して再調査等を行う。その場合にアンケート解析結果についての報告をWebサーバに掲載する方法や直接渡す方法を考えている。アンケートの謝礼として図書カードを中間報告書などと一緒に渡すことも予定している。平成23年度に実施できなかった「(4)企業の入社時に必要な情報リテラシーアンケート調査」は、アンケート調査項目を担当教員と専門業者にも作成依頼をしてアンケート項目の決定をし、本学の卒業生が就職している理工系企業を抜き出し、アンケート調査票を送付する。そのアンケート結果を解析し、アンケートの回答に協力いただいた会社に対して謝礼として解析結果と謝礼を送る。その解析結果等を学会等で発表する。これらの報告結果等をアンケート回答用サーバ上に報告用Webサーバとして、システム構築を専門業者に依頼する。本研究テーマに対する研究会(講演)等を開催して、講演者に対して謝金等を支払う。文献調査や各資料の整理にアルバイトを使用する。
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