2012 Fiscal Year Research-status Report
高校教科「情報」の実態調査と大学初年次の情報リテラシー教育に関する研究
Project/Area Number |
23501184
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
山崎 初夫 名城大学, 理工学部, 教授 (60174645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 幸正 名城大学, 情報センター, 教授 (20076756)
村上 広一 名城大学, 情報センター, 准教授 (40387767)
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Keywords | 情報リテラシー教育 / 高校教科情報 / 大学書年次教育 / アンケート調査 |
Research Abstract |
(1)平成23年度に実施した「愛知県の高等学校に対する教科「情報」の実態調査」のアンケート結果について解析を行った。並行して専門業者にアンケート結果の解析依頼をした。その解析結果の一部を教育システム情報学会第37回全国大会で「愛知県の高校での普通教科「情報」の実態調査」の内容で発表した。参加者から現在の情報と新しい共通教科「情報」の質問があり、他の大学でも授業内容の再検討の話しがあった。情報処理学会第119回コンピュータと教育研究発表会で「愛知県の高等学校に対して行った教科「情報」に関するアンケート -熱心度によるクラス分けと分析-」の内容で発表した。 (2)「企業へ入社時の新入社員の情報通信技術(ICT)スキル等のアンケート調査」は、高校の調査結果からアンケート調査項目を担当教員と専門業者が検討してアンケート調査書を作成した。アンケート調査書は本学の理工学部の卒業生が2008年から2012年に就職(内定含む)した企業409社に対して送付した。この調査には、本学キャリアセンター長及び理工学部長等の協力をいただいた。Webでの回答および郵送されてきた144社のアンケート調査書の解析については、担当教員と専門業者が解析して報告書を作成した。 (3)「新入生に対するコンピュータの知識やスキルの習得度」は、本学理工学部1年次の学生(約1,100名)に対してeラーニングシステムを利用して入学直後に実施した。新入生の「学士力」習得のための情報リテラシー教育の追加の情報収集を行った。担当教員が入学時のコンピュータ・スキル等の解析をした結果、できる学生とできない学生に前年度よりも差が大きいことがわかった。 (4)愛知県以外の高校における教科「情報」の授業の実態調査は、インターネット等で最近の研究成果等を検索した。 (5)「大学における情報教育の実態調査」は、追加の情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の実施計画のうち、(1)愛知県の高等学校に対するアンケートの解析(2)企業へ入社時の新入社員の情報通信技術(ICT)スキル等のアンケート調査(3)新入生に対するコンピュータの知識やスキルの習得度調査を実施したが、(4)愛知県以外の高等学校の実態調査(5)大学における情報教育の実態調査は、実施に至らなかった。 平成24年4月からの急な研究代表者の所属(情報センターから理工学部電気電子工学科へ)の異動や病状検査・入院・退院後の養生等により作業の進捗が全般的に遅れたことのほか、(4)「愛知県以外の高等学校の実態調査」は、最近の研究成果等を検索したが、十分な新しい情報を得ることができなかった。(5)「大学における情報教育の実態調査」は、追加の情報収集を行ったが、まとめるまでに至らなかったことが、その理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず平成24年度に計画していて実施できていない内容を実施する予定である。 平成24年度に実施した(1)「愛知県の高等学校に対するアンケート調査表」、「企業へ入社時の新入社員の情報通信技術(ICT)スキル等のアンケート調査」および「新入生に対するコンピュータの知識やスキルの習得度のアンケート調査」について報告書にまとめる。(2)「愛知県以外の高等学校の実態調査」については、調査方法を見直し、文献検索結果とアンケートから得られた愛知県の結果と比較検討する。「(3)大学における情報教育の実態調査」については、追加の情報収集を行う。 さらに、平成24年度に実施した高校及び大学の情報教育の実態調査と実施した企業に対するアンケート調査結果から得られた企業が望む情報リテラシー教育の内容を比較検討して、専門課程教育のための初年次習得が要求される情報リテラシー能力及び就職に際して企業が望んでいる情報リテラシー能力、すなわち「学士力」習得のための情報リテラシー教育の内容を明らかにする(初年次教育に求められる情報リテラシー能力の把握)。さらに、高校における教科「情報」の実態調査結果や新入生の理解度・定着度と「学士力」習得のための情報リテラシー教育を解析して、大学での有効なカリキュラムや教育方法の検討を行い、新しいカリキュラムの構築を目指す。(「学士力」としての情報リテラシー教育の検討)。 なお、研究成果報告書の公開のためのWebサーバ構築を専門業者に依頼し、アンケート結果や研究結果がWebサーバ上で閲覧できるようにする。 平成25年度から高校の普通教科「情報」が共通教科「情報」に年次進行で実施されることから、新しいカリキュラムの構築にあたっては共通教科「情報」の内容の検討も必要になると考えることから、補充的に再度、高校の実態調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでのまとめとして、解析結果等を学会や講演会等で発表する。アンケートの回答に協力いただいた高校に少しの謝礼と簡単な報告書を作成して送る。(当初の予定ではアンケートの回答に協力をいただいた企業にも謝礼を送ることにしていたが、無記名回答としたため、送ることができなくなった。)Webサーバを構築してこれまでの結果を公表する。なお、Webサーバのシステム構築は専門業者に依頼する。 本研究テーマに対する研究会(講演)等を開催して、講演者に対して謝金等を支払う。 文献調査や各資料の整理にアルバイトを使用する。
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