2013 Fiscal Year Annual Research Report
SPI2問題を用いて数学の基礎学力向上を図る適応型eラーニングシステムの開発
Project/Area Number |
23501191
|
Research Institution | Kyushu Junior College of Kinki University |
Principal Investigator |
津森 伸一 近畿大学九州短期大学, その他部局等, 教授 (50342051)
|
Keywords | eラーニング / SPI / 問題演習 / 学力評価 / 項目応答理論 |
Research Abstract |
平成25年度は,適応型eラーニングシステムの開発(平成24年度からの続き)と利用検証及びシステム改善を実施した.システムは,学力診断・問題演習・システム管理の各モジュールから構成されるが,本年度は主に,問題演習モジュールのシステム試作を行った.また,学力診断モジュールを短期大学生に使用してもらい,学力や問題難易度の推定が正確に行われていることを確認した.一方,問題演習モジュールの試作システムについては,使用を予定していた学生の学力が低得点層に集中したため,様々な成績層を考慮した問題演習モジュールの利用検証を行うことはできず,動作確認のみに止まった. 本研究の目的は,就職試験に多用されるSPI2問題を用い,数学を苦手とする大学生の基礎学力を向上するための適応型問題演習システムを実現することであった.このため,学生の学力や問題の難易度を推定し,個々の学力に適応した問題を出題するためのモデルを明確にすることが課題となる.このための方法の一つにTOEIC等の試験で広く利用されている項目応答理論(IRT)があり,妥当性や信頼性が期待できることから,本研究においてもIRTを用いることにした.しかし,IRTは局所独立の仮定等適用に際しての制約が大きく,問題難易度の推定や問題の出題制御に直接利用することが難しい.そこで本研究では,計算問題の解法の包含関係や解法に含まれる公式数の差が問題の難易に影響するものと仮定し,IRTにより難易度が既知の問題との難易度の差を計算するモデルを開発した.このようにIRTとIRTを補完する方法を併用することにより,問題データベース中の問題難易度の推定を適切に行うことができ,個々の学力に適応した教授モデルの一つを提案することができた.
|