2012 Fiscal Year Research-status Report
戦時下日本の「生活の科学化」運動の実態―国民生活科学化協会を中心に―
Project/Area Number |
23501202
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
北林 雅洋 香川大学, 教育学部, 教授 (80380137)
|
Keywords | 生活の科学化 / 日本文庫 |
Research Abstract |
本研究において特に着目する「国民生活科学化協会」が出版していた月刊誌『生活科学』については、これまでに未入手であった19号分のうち、7号分について、その目次と「国民生活科学化協会だより」の記事を、入手することができた。 収集した資料によって得られた知見に基づいて、日本科学史学会年会、日本理科教育学会全国大会、日本科学史学会四国支部大会において、研究発表を行った。また、得られた知見の一部を活用して、『科学史研究』投稿論文を完成させ(審査中)、共著の書籍を刊行することもできた。 未入手の資料について、発見の可能性が高い中華人民共和国の天津大学図書館への出張・調査は、事前に状況をよく把握しておく必要があることが判明し、事情をある程度把握している日本国内の人物を特定することができた。彼らと連絡を取るところまではまだ進んでいないが、入念に状況把握をしてから、出張・調査ができるように準備を進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において重要な資料として位置づけ、その発見・収集をめざしている月刊誌『生活科学』について、その発見・収集が期待したほどには進んでいないためである。特に、発見の可能性が高い中華人民共和国の天津大学図書館への出張・調査が実施できなかったことが大きい。それは、入念な事前準備が必要であることが判明し、その準備がまだ終わっていないことによる。また、研究代表者が学内の別のプロジェクトの責任者として当該年度は、そのプロジェクトの立ち上げのために多くの時間を取られ、まとまった出張の日程を確保することが難しかったことにもよる。そのプロジェクトも軌道に乗り始めているため、次年度は本研究のためにある程度の時間を確保できる見通しである。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該年度に実施することができなかった中華人民共和国の天津大学図書館への出張・調査を、入念に準備したうえで次年度の前半に実施する。また、これまでに収集した多くの資料について、その総目次・目録の作成を、学生アルバイトも活用して集中的に進める。また、国内の大学等の個人文庫についての調査も、引き続き、資料発見の可能性の高いところから、実施していく。次年度の後半には、それらの成果に基づいて、『科学史研究』への投稿論文をまとめていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、中華人民共和国の天津大学図書館への出張の旅費、および学生アルバイトへの謝金として使用する。
|