2013 Fiscal Year Annual Research Report
戦時下日本の「生活の科学化」運動の実態―国民生活科学化協会を中心に―
Project/Area Number |
23501202
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
北林 雅洋 香川大学, 教育学部, 教授 (80380137)
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Keywords | 生活科学 / 生活の科学化 / 戦時下 |
Research Abstract |
本研究では、月刊誌『生活科学』などの未発見資料の探査を集中的にすすめ、発見された資料に基づいて、従来、その実態が不明確であった戦時下日本の「生活の科学化」運動について、実際にどのようなことが取組まれ重視されていたのか、等の点について解明を試みた。その際特に、1941年9月に設立された「国民生活科学化協会」に着目した。月刊誌『生活科学』は同協会監修で、同協会の事業計画や活動日誌も記事として掲載されている。同誌の全体像の把握が本研究の中心的な目標であった。同誌は現在、国立国会図書館に1942年1月号~12月号が、大阪市立大学に1942年1月号~1943年12月号が、日本近代文学館に戦後に復刊された第1号である1946年7月号が、それぞれ収蔵されている。しかし、1944年1月号以降、戦時下で一時休刊になるまでのものについては、その所在が不明であった。本研究を通して、1944年1月号・6月号・11月号・12月号、1945年1月号・3月号を発見し、現物を入手することができた。また、1942年1月号~1943年5月号についても現物を入手することができた。 平成25年度は未発見資料の発見のために調査を進めたが、新たな発見はなかった。しかし、その過程で別の新資料を発見することができ、それについても研究成果としてまとめることができた。なお、発見の可能性が高いと注目していた中華人民共和国の天津図書館日本文庫については、その蔵書目録を入手することができたため、現地調査は実施しなかった。最終的に冊子として研究成果報告書を作成し、関連分野の研究者に配布した。それによって、関連分野の研究においてこれまで注目されることのなかった資料の存在を、広く知らせることができた。
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