2012 Fiscal Year Research-status Report
江戸時代における地域医療研究 ~岡山県邑久郡の中島家をもとに~
Project/Area Number |
23501206
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
松村 紀明 帝京平成大学, 地域医療学部, 助教 (00422379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町 泉寿郎 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (40301733)
梶谷 真司 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (50365920)
酒井 シヅ 順天堂大学, 医学部, 名誉教授 (00053033)
鈴木 則子 奈良女子大学, 生活環境学部, 准教授 (20335475)
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Keywords | 地域医療 / 医史学 / 科学史 / 岡山藩 / 在村医 / 医学史 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
当該の平成24年度も前年度と引き続き、夏と春の2回、それぞれ数日にわたって本研究プロジェクトのメンバーによる合同調査(岡山県全域を含む)を集中的に行い、メンバー各員の研究対象の中島家(岡山県瀬戸内市)およびその周辺、関連する図書館・資料館などの公的機関を集中的に調査した。具体的な調査場所・対象とそれぞれにおける主要な成果は次の通りである。 ・中島家の蔵書(担当:清水):前年度に引き続き、蔵書の内容および蔵書構成の分析を継続して行い、中島家の医学知識の修得過程・系統についてその一部が明らかになった。 ・周辺調査(担当:松村・梶谷・平崎):中島家の診療圏を明らかにするために、周囲の平野・山などをまわり、地形と人の流れについての基礎データを得た。 ・他の在村医の史料調査(担当:松村):前年度に引き続き、岡山大学図書館、岡山市立中央図書館、岡山県立記録資料館などにおいて、周辺の他の在村医と比較するための史料探索を行い、中島家と比較するための基礎史料を収集した。 上記をふまえプロジェクトメンバー各員がそれぞれの興味関心・専門に基づき、それぞれの基礎データ・基礎資料の収集と平行して 、基礎データ・基礎資料の解読・分析を行っている。前年度同様、両方を平行して行っているが、本年度は解読・分析により重点をおいた。資料収集や分析の具体的な成果については、別途記載の業績により順次公表している。 なお、本年度は国際シンポジウム(第6回アジア医学史学会)内のセッション"Formation of Traditional Medicine in Morden Asia"での発表を行った。このことにより、より広い視野からの本研究プロジェクトの位置づけへの足がかりが出来たと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度(平成24年度)も前年度と引き続き、夏・春にプロジェクトメンバーによる合同集中調査を行ったが、いずれの調査もほぼ事前の予定通りに実施することができ、周辺地域、周辺図書館(岡山大学図書館、岡山市立中央図書館、岡山県立記録資料館)などの調査においても、ほぼ予想通りの資料・データを収集することが出来た。さらに本年度は収集した史料の分析を開始し順次学会発表も行いつつある。 今後、プロジェクトメンバー各員がそれぞれの興味関心・専門に基づき、収集した資料・データの解読・分析を行うための準備が出来たと考えている。 なお、本年度は国際シンポジウム(第6回アジア医学史学会)内のセッション"Formation of Traditional Medicine in Morden Asia"での発表を行ったが、これにおいて近接する他の研究者・研究プロジェクトとの情報交換・交流を行うことが出来た。これは特筆すべき成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最大のポイントは在村医(地域医療)について様々な角度から明らかにすることであり、そのためには今後も多角的な資料ならびにデータの収集、および近接する研究者・研究プロジェクトとの連携が不可欠である。基本的に夏・春にそれぞれ集中的にプロジェクトメンバーによる現地(岡山県)において合同調査を行い、史料ならびにデータの収集およびその分析を行うが、平行して、近接する研究者・研究プロジェクト(特に、大分県立博物館の櫻井成昭氏、科学研究費補助金基盤研究A(一般)「帝国日本の知識ネットワークに関する科学史研究」(2012年度~2015年度、課題番号:24240108))との連携を深め、プロジェクトメンバー各員がそれぞれの興味関心・専門に基づいた史料収集・データの解読・分析に、役立てたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の方策に基づき、現地(岡山県)における合同調査に関連する諸費用(旅費・滞在費など)が研究費の主要な使途となる。この調査は、プロジェクトメンバーの所属機関(主に大学などの研究教育機関)の都合も鑑み、夏・春の2回を計画している。また併せて、収集した資料・データの解読・分析に必要な機器・書籍などの購入や謝金も研究費の使途となる。
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Research Products
(11 results)