2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501211
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
黒田 光太郎 名城大学, 大学・学校づくり研究科, 教授 (30161798)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 電子顕微鏡 / 電子回折理論 / 超高圧電子顕微鏡 / 分析電子顕微鏡法 / 高分解能電子顕微鏡法 / 電子顕微鏡内その場観察 |
Research Abstract |
日本学術会議第37 小委員会の活動に関する資料を国立科学博物館新宿分館で閲覧し、系統的に分析することを始めた。日立製作所や日本電子などの開発関係者に問い合わせを行い、電子顕微鏡開発にかかわる資料の収集を行った。電子回折理論の文献を系統的に分析して、その発展過程を明らかにすることを始め、理論と応用との関連性を追求する準備を行った。1980年以降に確立されてきた高分解能電子顕微鏡法や電子線ホログラフィー法については、飯島澄男氏(名城大学教授、NEC特別主席研究員)や外村彰氏(日立製作所フェロー)のこれまでの研究論文を系統的に検討した。 超高圧電子顕微鏡の開発について、関係者への聞き取り作業、メーカーや大学における資料収集、文献の系統的考察を開始して、開発過程を調べた。産官学協同が超高圧電子顕微鏡開発には大きな役割を果たしたことが分かった。また、超高圧電子顕微鏡が1990 年代以降にも新機種が開発されてきた経緯についても調査した。 日本における電子顕微鏡の開発史に関しては、吉岡斉編『[新通史]日本の科学技術 第2巻』の3-14章として、「電子顕微鏡」を執筆した。 透過電子顕微鏡法の発達史を概観した総合報告を『材料の科学と工業』に寄稿した。そこでは、電子顕微鏡の発見、日本における電子顕微鏡の開発、格子欠陥を含む薄膜結晶の電子顕微鏡観察、高分解能電子顕微鏡観察、超高圧電子顕微鏡、電子顕微鏡内その場観察実験、分析電子顕微鏡法、走査透過電子顕微鏡について、それらの始まりからどのように展開していったかを振り返り、今後の電子顕微鏡法のあり方を探った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本学術会議第37小委員会の活動に関する資料を国立科学博物館新宿分館で閲覧し、系統的に分析することを始めたが、新宿分館が12月に閉鎖され、資料が筑波に移動しており、2012年夏から閲覧再開になるので、本格的な調査研究は次年度に行う。電子顕微鏡研究者へのインタビューの依頼は行ったが、実施は次年度になる。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本学術会議第37小委員会の活動に関する資料をそれを所蔵する国立科学博物館筑波実験植物園で閲覧し、系統的に分析を行う。 戦後初期に活躍された電子顕微鏡研究者へのインタビューを行い、電子顕微鏡発展史のオーラルヒストリー研究を行う。 電子回折理論の文献を系統的に分析して、その発展過程を明らかにし、理論と応用との関連性を追求する。 日本の特長である超高圧電子顕微鏡の開発とその応用研究について、総合的な調査研究を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は約16万円を次年度に繰り越すことになったが、それは次年度に行うインタビューの旅費に使用する。また、次年度は当初の計画どおり、旅費にかなりの経費を使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)