2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501230
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
江口 誠一 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (00301789)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 博物館学 |
Research Abstract |
地域景観を復原するにあたって基本的な自然科学的分析を行うために、千葉市中央区の緑地からボーリング・コアを得た。それは年代測定によって完新世に堆積した地層であることが確認された。層相は下層から、暗褐灰色シルト質細砂層、黒色極細砂質シルト層、暗灰色極細砂質細砂層、暗灰褐色シルト質極細砂層に分けられ、低地域の環境が数千年間継続していたと考えられた。このうち放射性炭素年代測定値が、約2000年前および約1000年前と示された上層部の部位から、植物珪酸体分析用の試料として約10センチおきに堆積物を個別に採取して保管した。 野鳥を通した景観調査は、千葉市野鳥の会をはじめとしたNPO団体と共同して進めた。調査地は、主に千葉県内の九十九里浜海岸、利根川下流部で、これらは全国的に鳥類が飛来する地域として有名な湿地である。その九十九里浜海岸に加え、下流域を中心とした利根川水系および銚子市海岸部において、湿地に分布している鳥類の生息地を踏査し、鳥類相およびその個体数を確認する作業を行った。今回は主として水鳥類の観察に焦点をあてることとした。理由としてそれらの地域が、国際的な観点からもシギ・チドリ類が飛来する重要な湿地であることが確認されてきたことによる。観察結果の一部は学会・研究会で発表し、外部の専門家から意見を得ることができた。さらに、その生息環境として重要な植生を現地で確認し、植生図としてデジタル情報化してまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域景観を復原するに際して重要な自然科学的分析の試料が得られたことと、鳥類生態調査も初年度として十分なデータが取れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
採取した試料の具体的な分析を進めるとともに、生態調査も継続して行っていく。また歴史的な景観資料の収集も開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析を進めるにあたり分析補助として人件費の使用が中心となる予定である。
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