2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23501245
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
戸所 隆 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (80066745)
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Keywords | 新しい開発哲学 / 知識情報社会 / 分権型地域づくり / 自然と人間の共生 / ヒューマンスケール / 弱者の論理・地域の論理 / 大都市化分都市化型都市構造 / 脱個人化・新家族化 |
Research Abstract |
工業化社会から知識情報化社会に時代が転換する中で、日本では政権交代や東日本大震災、人口縮減などもあいまって、国のかたちを構築する社会基盤整備の在り方が混迷している。この混乱を収めるには知識情報社会に適した国土形成の在り方を示す新たな開発哲学の樹立が不可欠となる。本研究は以上の視点から分権型知識情報化社会における開発哲学の構築を目的に研究した。 平成25年度は、次の調査・研究および成果報告を行った。すなわち、①国土基盤整備や都市開発に携わる研究者・実務家・政治行政関係者への聞き取り調査と議論、②イタリア南部、瀬戸内沿岸や北陸・新潟、東京大都市圏縁辺部など国内外における新旧国土基盤整備の動向に関する実態調査および開発の在り方に関する現地聴き取り調査、③東日本大震災地域における復旧・復興のあり方について調査研究、④日本都市学会や日本地理学会における新しい開発哲学研究の考え方とその必要性の発表である。かかる研究活動によって、新たな開発哲学の構築を推進した。 人間は自然の一部であり、自然の摂理を十分に認識し、自然と共生するために科学技術を活用する必要がある。また、開発スケールを巨大指向からヒューマンスケールへと転換し、強者の論理・資本の論理中心の政策から弱者の論理・地域の論理中心への転換を図ることが、新しい開発哲学の構築に欠かせぬ理念となる。その理念を国のかたちづくりに活かすには、自立的・分権的小都市が水平的ネットワークで大都市機能を発揮する大都市化分都市化型都市構造形成と人材を再生産できる脱個人化・新家族化が重要となることを見出した。 以上の研究成果は、日本都市学会では知識情報社会における新しい都市学の成立として提言、日本学術会議や日本地理学会のシンポジウムにおいて新たな国のかたちづくりの提言として情報発信し、研究成果を社会に還元した。
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Research Products
(8 results)