2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501250
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
吉野 和子(漆原和子) 法政大学, 文学部, 教授 (00101329)
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Keywords | 国際研究者交流 / 南西諸島 / 南大東島 / カルスト化過程 / 年代測定 / 鍾乳石 |
Research Abstract |
南大東島は、隆起サンゴ礁であり、溶食を受けた結果の地形でもある。この島の溶食を受けた時間経過と、その間の気候変化は大きく溶食量を変えることに関与している。島中央部の溶食に要した時間は約160万年であることまで判明しつつあるが、気候変化が溶食に及ぼした影響は、まだ明確な結論が得られていない。鍾乳石の年代測定をすることにより、年代と海面変動量を明らかにし、溶食と気候変化の関連性をモデル化に含む予定である。 本年度は南大東の現地調査を2度行なった。9月には南大東の海岸部のHoloceneの溶食形態の測定を行った。11月にはノルウェーからLauritzen教授の招聘を行い、代表者と共に南大東の洞窟で、年代測定に適した鍾乳石のサンプリングを行い、海岸部での地形計測を行った。 本年度までの成果は以下のとおりである。(1)全島の現在のカルスト地形に至る総年数は算出できた。(2)最終間氷期から最終氷期までの鍾乳石の成長から、氷期、間氷期の溶食量の大小については、およその推定値は得られた。来年度の鍾乳石の年代測定を続行することによって、より一般性のあるモデルの構築を目指す。 2013年度にはIGU(国際地理学連合)で代表者がカルストのセッションをオーガナイズする予定であり、研究成果について発表する予定である。共著者等とその内容について討論を重ねた。年度末までに中間の取りまとめを行い、メールにて昨年度招聘したスロベニアの研究者2名と、本年度招聘したノルウェーの研究者との間で十分に情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Stein Erik Lauritzenとともに南大東の洞窟調査を終えた。鍾乳石のサンプリングは持ち帰り、現在ベルゲン大学で分析中である。概ね計画通り、順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
年代測定の結果を待って、2013年8月に行われるIGU国際会議(京都)のカルストセッションでTadej Slabe, Stein Erik Lauritzenと共同で発表する。カルストのモデル化の結果はJounal of Geomorphologyに投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は鍾乳石サンプルの未了分の年代測定を進める予定である。その上で年代軸を入れた南大東島のカルスト化のモデルの構築を行う。その成果を国際学術誌に投稿を予定している。
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Research Products
(2 results)