2012 Fiscal Year Research-status Report
新しい初代癌細胞3次元培養法を用いた低酸素によるDormancy誘導機構の解明
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23501282
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
奥山 裕照 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 研究員 (50432373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正宏 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 部長 (10342990)
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Keywords | 低酸素 / 初代培養 / 大腸がん / dormancy / MYC / HIF |
Research Abstract |
平成24年度はとくに低酸素・低栄養下でのmyc低下のメカニズムについて詳細に検討している。HIF-1, HIF-2の関与について検討するために、HCT116細胞株を用いてHIF-1とHIF-2のノックダウン細胞株を樹立した。HIF-1, HIF-2 short hairpin RNAをレトロウイルスで感染させて樹立した。それらの細胞株を低酸素・低グルコース環境に暴露し、mycの発現の変化をwestern blotで検討した。結果は、HIF-1, HIF-2いずれもMycの発現に影響を及ぼさなかった。以上の結果から、飢餓ストレス環境下でのmyc低下にHIF-1, HIF-2は関与しないことが示唆された。ER stressのmarkerとして、CHOPとeIF-2が知られており、HCT116細胞株を用いて、低酸素・低グルコース環境に暴露し、western blotとPCRにてそれらのマーカーを調べた。CHOPもeIF-2もともに低酸素・低グルコース環境下で著明に上昇していた。これまでmycの分解の機序についての報告がみられる。Fbw7はMycのBox1のスレオニン58とセリン62のリン酸化依存的に結合し、ubiquitinを付加し、proteasomeで分解させる。また、skp2はMycのBox2に結合し、その分解に関わっている。そこで、mycのbox1 deletion mutant, mycのbox2 deletion mutantを作成し、低酸素・低グルコース環境下のおけるmycの分解にFbwx7, skp2が関与するか検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成23年度はCTOSでのmycの発現状態を検討し、平成24年度にはmycの分解の機序の詳細な検討を行っており、このペースでいけば、25年度も予定通り計画を進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は低酸素・低グルコース環境下でのmyc分解の機序について従来から報告されているFbxw7, skp2のみで説明できるのか、あるいは新たなubiquitin ligaseが存在するのかを明らかにする。さらに、我々が開発した新規3次元癌細胞培養法(cancer tissue-originated spheroid: CTOS)を用いて、mycの分解の機序の詳細な検討を行う予定である。これまでのがん細胞株からは得られなかった新たな知見が得られることを期待している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、CTOS培養における消耗品や免疫不全マウスを用いたin vivoの実験に研究費を使用する予定である。またなんらかの分子に注目し、その遺伝子をノックダウンするためのsiRNAなどの購入に充てる予定である。
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