2013 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌患者におけるT細胞機能低下メカニズムの検討とその制御による免疫治療の開発
Project/Area Number |
23501285
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
齊藤 博昭 鳥取大学, 医学部, 講師 (20335532)
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Keywords | 胃癌 / PD-1 / Tim-3 / LAG-3 / 免疫治療 |
Research Abstract |
これまでの研究結果からPD-1、Tim-3およびLAG-3が胃癌患者における細胞性免疫能低下に深く関与していることが明らかとなった。そこで今年度は、まず、これらの分子が癌免疫の中核をなすCD8Tリンパ球からのCTL誘導にどのように関与するかを検討した。PD-1およびTim-3発現をもとにしたリンパ球各サブセットをソーティングし、CEA抗原を負荷した樹状細胞にて3回刺激子、CEAに対するCTLの誘導をCTL aasayにて検討した。結果はPD-1およびTim-3陰性CD8Tリンパ球からはPD-1およびTim-3陽性CD8Tリンパ球にくらべてCEAに対するCTLがより強く誘導された。すなわち前年度に示したサイトカイン産生能に加えて、腫瘍免疫に最も直結するCTL誘導能にもTim-3およびPD-1が関与することが示唆された。LAG-3においても同様の検討を行う予定であったが、時間の関係で施行することが出来なかった。これに関しては今後も引き続き検討を行う予定である。次にこれらの分子を抑制することにより機能回復がえられるかどうかを検討した。siRNAを使用してPD-1およびTim-3発現を抑制したところ、CD4およびCD8Tリンパ球においてIFN-γのサイトカイン産生能の上昇が認められた。また、細胞増殖能の増加が認められた。これらの結果から、胃癌患者においてPD-1やTim-3をターゲットとした免疫治療が有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)