2011 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムPCR法およびFISH法での肺腺癌の浸潤に関わる新規遺伝子の解析
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23501294
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
南 優子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20466676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 雅之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00198582)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | CGH / 3q / 小型肺腺癌 / 定量的リアルタイムPCR法 / 遺伝子増幅 / FISH法 / 免疫組織化学染色 |
Research Abstract |
CGH(Comparative Genome Hybridization)法を用いて、野口分類のtypeA、BとtypeD、Eを比較し有意差のある33遺伝子領域を見いだし、そのうち3q領域には22遺伝子領域、3q26領域には7遺伝子領域が有意に増幅していることが明らかになった。このデータをもとに、定量的リアルタイムPCR法を用いて、PIK3CA、ECT2、EIF5A2、TNFSF10、SKIL、EVI-1(以上3q26)、MUC4(3q29)の7遺伝子を小型肺腺癌である野口分類のtype A、B 15例、type D、E17例、2cm以上の浸潤性進行肺腺癌51例、大細胞癌6例、多形癌12例の計101例で検討した。それぞれ筑波大学附属病院で切除された包括同意を得ている肺癌手術検体の残検体 (メタノール固定標本)を用いた。<結果>野口分類のtype A、B 15例とtype D、E17例を比較すると、すべての遺伝子においてtypeD、Eで増幅傾向が認められた。全101例の症例で解析を行ったところ、1つでも1.5以上の遺伝子増幅があった症例は全101例中15例で、内訳はPIK3CAで13例、ECT2で10例、EIF5A2で8例、TNFSF10で11例であった。また、2つ以上遺伝子増幅があった症例は11例であった。また、2.5以上の増幅があった症例は6例あった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
101例の症例でメタノール固定標本から解析に十分量のDNAを抽出することができ、そのDNAを用いて定量的リアルタイムPCR法にて解析が行えた。増幅がみられた症例数はPIK3CAで13例、ECT2で10例、EIF5A2で8例、TNFSF10で11例であった。結果として1つでも1.5以上の遺伝子増幅があった症例は15例/101例で、2つ以上遺伝子増幅があった症例は11例/101例、また、2.5以上の増幅があった症例を6例/101例抽出できた。これら遺伝子増幅を認める15症例に対して、免疫組織化学染色を開始できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に見いだした遺伝子増幅症例に対して、PIK3CA、ECT2、EIF5A2、TNFSF10で2.5以上の増幅があった症例6例に対して最初に免疫染色を行い、その発現を確認する。さらに、FISH法でも増幅の確認をする。そして再現性を得るために、増幅のなかった症例および今後採取されていく症例に対しても免疫染色、FISHを行う。その後、臨床病理学的事項および形態との関係を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫染色を行うために、PIK3CA、ECT2、EIF5A2、TNFSF10の1次抗体および2次抗体の購入、FISHを行うにあたっては、プローブの購入および検出試薬の購入が必要である。また免疫組織化学染色およびFISHを行うために必要なプレパラートなど物品を購入する。
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Research Products
(2 results)