2013 Fiscal Year Annual Research Report
胃がんバイオマーカーとしての血清TFF3の起源の検討
Project/Area Number |
23501295
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70301819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 武士 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 研究員 (50443453)
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Keywords | 胃癌早期発見 / バイオマーカー / 胃癌検診 / スクリーニング |
Research Abstract |
ヒト胃癌発見のバイオマーカーとして、血清TFF3がよいことがわかったが、胃切除をしても血清TFF3は低下せず、その起源は胃ではないことが想定された。これを調べるべく、マウス、ラットに化学発癌を施し、胃癌を作成した。マウスにはH. pylori感染+MNU投与、ラットにはMNNG投与を施行した。ラットでは犠死まで生存した20匹中19匹に、マウスでは犠死まで生存した15匹すべてに胃癌が形成されていた。担胃癌動物では、マウス、ラットともにコントロール動物に比し、血清TFF3は高値であった。ラットでは胃切除をしても血清TFF3は低下せず、ヒトと同様の現象が認められた。マウス、ラットで各種臓器を摘出し、担胃癌動物でTFF3タンパク、TFF3 mRNAが上昇している臓器を同定したところ、肝臓において、担胃癌動物でコントロール動物に比し、有意にTFF3の発現が高値であった。小腸、大腸では逆にTFF3の発現は低下していた。膵癌患者で行ったデータでも、血清TFF3は高値で、かつ、切除をしても低下せず、同様であった。TFF3の発現はIL-4, IL-13といったTh2サイトカインで誘導されることが知られており、がんにより免疫抑制状態があり、それによるサイトカインが肝臓よりTFF3の発現の上昇を誘導しているものと思われた。正常発現部位ではネガテイブフィードバックがかかっているものと思われた。ヒトの研究において、胃切除後半年でも血清TFF3高値は低下せず、さらに長期に経過すると低下する傾向にあり、がんを切除しても免疫抑制状態はすぐには改善せず、この変化を血清TFF3は見ているものと思われた。以上の結果より、血清TFF3は汎担癌バイオマーカーとなることが示唆された。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Evaluation of Serm TFF Levels as Biomarkers for Gastric and Pancreas Cancer and Their Ascertainment in Animal Models2013
Author(s)
Sachiyo Nomura, Takeshi Toyoda, Yasukazy Ohmoto, Minoru Tada, Rihito Nagata, Akihiko Ichida, Hiroshi Ohtsu, Susumu Aikou, Yasuhiko Sugawara, Norihiro Kokudo, James R Goldenring, Yasuyuki Seto
Organizer
The 4th JCA-AACR Special Joint Conference
Place of Presentation
Chiba(東京ベイ舞浜ホテルクラブ&リゾート)
Year and Date
20131217-20131217
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