2012 Fiscal Year Research-status Report
消化器癌患者の血漿中遊離核酸を用いたテーラーメイド個別化バイオマーカーの開発
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23501299
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡本 和真 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20285258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 大輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20347446)
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Keywords | 腫瘍マーカー / microRNA / 循環核酸 |
Research Abstract |
同一胃癌患者の術前・術後ならびに再発時の血液セットを準備し、同3名分の血漿を混合した各サンプルからのmicroRNA(miRNA)の抽出を行い、miRNA microarray解析を行った。 microarray解析結果から、術前高値、術後顕著に低下、再発時に再上昇する10個のmiRNAを今回の検索候補として選定した。通常のRT-PCRによるValidation assayを行い、3症例ともに腫瘍動態と合致する値(術前高値、術後低下、再発時に再上昇)を示したmiRNA-X, Y, Zを血漿モニタリング・バイオマーカーの候補としてさらなる解析を行なった。 組織における発現解析では、miRNA-Zの発現が、周囲健常組織に比較して胃癌組織で高い傾向を示したが、miRNA-X,Yについては両者間に有意な差を認めなかった。また、当施設の血液バンクを用いた再発症例15例の解析では、リンパ節転移再発例においてmiRNA-Z値の異常高値を認めたが、腹膜播種再発例や血行性再発例では再上昇を認めなかった。 また、前年度行った術前・術後のmicroarray解析から選出したmiRNA-451,486については、進行胃癌術後症例のフォローアップ期間中の測定を行い、その臨床的再発の有無との相関を現在解析中であり、次年度も引き続き解析を行い、その再発モニタリング・バイオマーカーとしての意義について検討する予定であり、個々の症例に行ったmicroarray解析結果から選定されたバイオマーカーについては、今後術後フォローアップ中の解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度ならびに昨年度に得られた知見の実地臨床への応用を念頭において、症例数を増やして解析を行う予定である。 また、血液細胞由来のmicroRNAの影響を可及的に少なくするため、エクソソーム分画での同様の解析も行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は主に、これまでに選出したモニタリングバイオマーカーについて通常のRT-PCR法での測定を行い、それらの結果と、臨床的腫瘍動態との相関について検討を加える予定であり、支出の殆どはmicroRNA定量に伴う消耗品となる予定である。
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