2012 Fiscal Year Research-status Report
全く新しい方法による標的mRNA切断を応用した腫瘍に対する新規核酸医薬の開発
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23501304
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
成田 美和子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30281009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梨本 正之 新潟薬科大学, 応用生物科学部, 教授 (30228069)
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Keywords | sgRNA / tRNaseZL / WT1 / Bcl-2 |
Research Abstract |
昨年度の結果を確認した。すなわち、各種の白血病細胞株や新鮮白血病細胞に網羅的に腫瘍関連抗原のsgRNAを加えて培養した。RT/RQ-PCRを用いて、sgRNAを添加培養した白血病細胞の当該遺伝子のmRNA発現の阻害を確認するとともに、Western blottingおよびフローサイトメトリーを用いて、培養細胞の当該タンパク発現の阻害を確認した。また、sgRNAを添加培養した白血病細胞について、経時的なMTTアッセイによる細胞増殖の抑制、およびAnexin V/7AAD染色した培養細胞をフローサイトメトリーで解析することにより、sgRNAを介したアポトーシスの誘導について検討した。WT1とBcl-2において再現性の高い結果を得ることができた。 WT1およびBcl-2に対するsgRNAで処理した白血病細胞株より抽出したmRNAを用いたRACE (rapid amplification of cDNA ends)を行い、切断部位の塩基配列を同定することにより、標的mRNAが、tRNase Zにより切断されていることを確認した。 Bcl-2に対するsgRNAについては、マウスゼノグラフモデルを用いたin vivoでの検討を行った。ヌードマウスの皮下に移植した人白血病細胞株に対するsgRNAの局所および尾静脈からの投与の効果について検討し、sgRNAの有効性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、24年度までに、複数の遺伝子を標的としたsgRNAを作成しその効果を確かめ、最終年度に分担研究者の協力を得てマウスモデルにて確認する予定であったが、マウスモデルでの実験を早めに行うことが可能であり、論文報告にも至った。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍原性の作用機序が異なるいくつかの腫瘍関連遺伝子に対するsgRNAの組合せ効果を検討するとともに、抗白血病剤に対するsgRNAの作用増強効果についても検討する。 in vitroの検討で腫瘍細胞に対する細胞障害活性が認められたWT1に対するsgRNAについて、ライブラリーを固相化した細胞培養プレートを作成する。すなわち、96ウエルプレートの各ウエルに各種濃度にsgRNAを加えたメジウムを加え乾燥させる。プレート保存に最適な条件を明らかにし、MTTアッセイで各種腫瘍細胞に対する感受性試験を行うためのキットを作成する。このsgRNA感受性キットを用いて、広範な腫瘍細胞についてWT1に対するsgRNA感受性試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新しいsgRNAの作成、感受性測定用キットの作成
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