2012 Fiscal Year Research-status Report
高性能イミュノトキシンを用いた急性骨髄性白血病の標的化治療
Project/Area Number |
23501309
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山口 美樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10530454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 洋文 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (00189614)
平井 幸恵 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20218754)
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Keywords | AML / 標的治療 / イミュノトキシン / モノクローナル抗体 / DT3C / ADC |
Research Abstract |
本研究の目的は難治性AMLに対する分子標的療法の開発である。平成23年から平成25年度までの3年計画で本研究は進めている。3年計画の2年目は主に標的抗体の樹立と抗原同定に重点を置き実験を進めてきた。AML細胞株であるKG1細胞をBalb/cマウスに免疫し、常法に従いモノクローナル抗体を樹立した。 抗体のスクリーニングに用いた方法は申請者らが開発したDT3C(Extracellular domeinを除きCatalytic domeinおよびTranslocation domainを含んだジフテリア毒素[DT]とGグループのストレプトコッカスの細胞壁成分であるプロテインGのC domainを3つ持つ[3C]リコンビナントタンパク質)を用いた方法で行った。この方法で得られたモノクローナル抗体はイミュノトキシン活性が高く強力な殺細胞効果を示すものである。 現在までに156個の抗体が樹立され、50抗体の抗原が同定された。同定された抗原はCD43, CD44, CD47, CD71, CD81, CD99, CD151, CD317であった。これらの抗原は白血病の標的分子である一方で、白血病以外の各種固形腫瘍に対する標的分子でもあった。このパネルの中から、腫瘍細胞に対して選択性が高いものを抽出し実用化するために必要な個別の解析を進める予定である。 本年度から免疫法を一部改良し実験を進めた。その結果、新たに30抗体が得られ、これらについては抗原同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的化抗体として、AMLに対する156個のモノクローナル抗体が樹立できた。この中にはCD43, CD44, CD47, CD71, CD81, CD99, CD151, CD317などのAML治療に有用な抗体が多く含まれていた。また、既に治療薬として開発中の標的化抗体も含まれており、スクリーニング法として非常に優れたものであることが示された。このことから、このスクリーニング法を用いた抗体の探索を続けることは新規な標的化抗体をみつける最短ルートと考えられた。この点がはっきりしたこと、標的化抗体が156個得られたことを考えると達成度としては十分評価できるものである。反面、抗原の同定が50個と少なく反省点もある。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度であることから、抗原未決定の抗体についてはできるだけ多く決定する一方で新規抗体の樹立も続ける。この両者を進めることで必ず目的が達成される。また、現在得られている標的化抗体の中から、腫瘍細胞に対して選択性が高いものを抽出し実用化するために必要な個別の解析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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