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2011 Fiscal Year Research-status Report

堆肥化過程からのN2O排出を支配する新規機構の解明とN2O排出予測式の導出

Research Project

Project/Area Number 23510001
Research InstitutionObihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

Principal Investigator

宮竹 史仁  帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (70450319)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 前田 高輝  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (90435941)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords地球温暖化 / 堆肥化 / 一酸化二窒素
Research Abstract

堆肥化は不均一材料かつ多様な微生物が活動している複雑系反応であり、その過程では強力な温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)が発生する。本研究はN2O排出機構の解明ならびに高精度インベントリデータの創出を図ることが目的であり、特に平成23年度に関しては、物理的パラメータによる堆肥化条件とN2O発生特性解析および堆肥化の温度上昇時に多量のN2Oを排出する微生物群集の解明を目指した。 本年度課題では、精密小型堆肥化装置を用いて乳牛ふんの堆肥化試験を実施し、そこから排出されるN2Oを測定した。その結果、堆肥材料の水分、温度、および通気量の違いによって、N2O排出速度および排出量が異なることが明らかとなった。水分に関しては、堆肥材料の含水率が55~74%程度の範囲であれば、N2O排出量を抑制することが可能であり、含水率が低下するほどN2O排出量は増加する傾向にあった。また温度に関しては、堆肥化初期の温度上昇時の43~50℃および56~68℃間でN2O排出速度は明らかに著しく上昇し、しかも高温域の56~68℃間でより上昇することが分かった。加えて、通気量に関しては、一般的な最適通気量(0.72 L/min/kg-dm)の場合と、その通気量よりも抑えた条件(0.30 L/min/kg-dm)で4週間の堆肥化実験を行い、そのN2Oの排出特性を検討した。その結果、通気量を0.30 L/min/kg-dmに抑えることで、N2O排出量は約30%減少した。また、堆肥化初期過程にN2Oを大量に排出する微生物群集を検討するために、PCR-DGGE法を用いて温度変化に伴うバクテリアならびに硝化細菌(amoA)の群集解析を行った。その結果、N2Oの排出に関与すると思われる微生物群集の大きな変遷は確認されなかった。それ故、堆肥化初期過程におけるN2O排出は硝化よりも脱窒が優先原因であると推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度の研究実施計画は、(1)物理的パラメータ(水分、温度、通気量)による堆肥化条件とN2O発生特性の解析、(2)堆肥化の温度上昇時に多量のN2Oを排出する微生物群集の解明の2点を行うことであった。本年度は、この両方の課題に取り組み、以下の結果が得られている。(1)N2O排出特性は物理的パラメータ(水分、温度、通気量)に依存し、水分が低いほど、通気量が多いほど、また温度が高いほどN2O排出量は増加する傾向を示した。(2)堆肥化初期過程の温度上昇とともにサンプルを採取し、PCR-DGGE法により群集解析を行った結果、バクテリア群集および硝化細菌(amoA)の群集遷移には多量のN2O排出を促すプロファイル変化は確認されなかった。堆肥化では、硝化作用によるN2O排出が優位であると考えられているが、堆肥化初期過程においては脱窒作用がN2O排出の主原因である可能性が考えられた。 以上のように、平成23年度の研究実施計画に基づき研究が遂行されており、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度の研究推進計画は以下の2点である。1点目は、化学的パラメータ(原材料等の違い)による堆肥化条件とN2O排出特性の関係を明らかにすることである。この研究課題では、精密小型堆肥化装置を使用して堆肥化実験を実施する。堆肥原材料の種類やそれらの窒素含有割合がN2O排出特性に及ぼす影響を明らかにする予定である。2点目は、N2O排出における微生物の硝化・脱窒ポテンシャルを明らかにすることである。本研究課題においても精密小型堆肥化装置を用いて堆肥化実験を行う。堆肥化によるN2O排出機構を解明するために、硝化または脱窒のどちらが堆肥化からのN2O排出に関与しているのかを明らかにする予定である。平成24年度は以上の2研究課題を通して、堆肥化発酵条件とN2O排出の関連性を明らかにすることを目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費の使用計画で、最も費用が掛かるのが、N2O濃度を測定するためのガス分析装置(INNOVA)のガス校正費である。これは、毎年度ガス校正を行う必要がある装置であり、本研究課題で最も重要なN2Oの測定に関わるものである。精度の高い測定を行う為には、ガス校正が必要不可欠なため、その他として計上している。それ以外は、試薬や堆肥化実験に使用する器具類等の消耗品を購入するための物品費、学会や研究打合せ等の旅費、実験補助に係る人件費・謝金を計上している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 堆肥化初期過程における一酸化二窒素(N2O)の排出特性 ―戻し堆肥の混合がN2O排出速度に及ぼす影響-2011

    • Author(s)
      宮竹史仁、鈴木康浩、谷昌幸、加藤拓、前田高輝、前田武己、岩渕和則
    • Organizer
      廃棄物資源循環学会
    • Place of Presentation
      東洋大学(東京都)
    • Year and Date
      2011 年11月4日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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