2012 Fiscal Year Research-status Report
海洋低次生態系・海底堆積物結合モデルによる伊勢湾の中長期的水質底質特性の研究
Project/Area Number |
23510016
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Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
千葉 賢 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90298654)
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Keywords | 環境動態解析 / 数値シミュレーション / 環境基準 / 総量規制 / 生態系モデル / 閉鎖性海域 |
Research Abstract |
平成24年度は低次生態系モデルと海底堆積物モデルを結合した伊勢湾生態系モデルの開発を行い、計算を開始した。計算結果の評価はまだ不十分であるが、水質の季節変化や水質と底質の水平分布などは観測値をうまく再現しているようである。 また、3次元流動モデルを用いて1986年から2011年までの水温・塩分・流動場の再現計算を行った。三重県水産研究所が1986年から伊勢湾の定線観測を実施しており、その観測値との比較を行ったが一致度は良好であった。特に興味があるのは、年により貧酸素化の程度が異なる点で、海水交換率にその原因があるとみて研究を進めたが、まだ結果を十分に明らかにできていない。 また国土交通省が2010年4月に湾周辺4か所に自動観測局を設置した。そこで2010年と2011年の流動場を計算し、詳しい比較を行ったが、一致度は非常に高く、流動モデルの再現精度を確認できた。湾の流動パターン(表層の循環流や外海水の侵入深度)について過去研究と比較したが、これも良く一致した。 貧酸素化現象に関連して、暖候期の湾央底層に低水温プールが発生し、その周りに反時計回りの循環流が生じ、その結果、高密度ドームが形成されるという結果を得た。この高密度ドームは5月頃から10月頃まで存在し、貧酸素水隗の発生時期と重なる。パッシブスカラーを用いた計算で海水交換特性を調べたが、この高密度ドームでは古い海水が取り残され、その影響で暖候期の湾の中底層の海水交換率が低下することを明らかにできた。これらの結果は論文として公表予定である。また、流動モデルの基礎式や離散化法などの詳しい点について公表してこなかったので、論文としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では流動モデルと生態系モデルの整備を行い、それを連結して長期間の再現計算を行い、貧酸素化の原因等を調べることを目的としている。モデルの整備は終了したが、平成24年度は流動モデルを用いた計算に相当の時間を費やし、また結果の論文化にも時間を費やした。そのために生態系モデルの計算がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
伊勢湾生態系モデルによる計算に本格的に移行し、平成25年度内に研究の主目的である貧酸素化に及ぼす陸域負荷と海底からの栄養塩回帰の影響や外海からの栄養塩不可などの影響を明らかにしてゆきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
この計算のためには高速のコンピュータが必要であり、残りの研究費を活用して年度後半に高速ワークステーションを購入する予定である。 ワークステーションの購入額は80万円程度を予定している。
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Research Products
(3 results)