2013 Fiscal Year Annual Research Report
PFOS、PFOA及びそれらの前駆物質の起源と水環境動態の解明
Project/Area Number |
23510020
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
茂木 守 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質担当, 主任研究員 (10415391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野尻 喜好 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質担当, 担当部長 (70415389)
堀井 勇一 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質担当, 主任 (30509534)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / PFOS / PFOA / 前駆物質 / 生活系排水 / 製品 / 生分解 |
Research Abstract |
平成25年度は、埼玉県内35河川の38環境基準点の河川水について、有機フッ素化合物であるPFOS、PFOA及びそれらの前駆物質(PFCs)濃度を測定した。平成23年度に比べてPFOSの幾何平均濃度は5.0ng/Lから3.7ng/Lに減少したが、PFOAは6.6ng/Lから7.7ng/Lに増加した。これは、PFOSがPOPs登録され、製造、使用等が規制されたことを反映したためと考えられる。 下水処理場の水処理工程においてPFOAの前駆物質である8:2FTOHの生分解挙動を把握するため、工程水中の7物質と排出ガス中の2物質を調査した。8:2FTOHとその転換物質のマスフローについて、流入水を100%としたとき、放流水は60%であった。また、反応槽ガスからは7:2sFTOHと8:2FTOHが検出され、そのマスフローは6%であった。このガス中の7:2sFTOHと8:2FTOHは活性炭脱臭処理によって除去されるため、この施設における大気経由の排出負荷はないが、活性炭脱臭設備のない下水処理場では、PFOAの前駆物質が大気経由で環境中に排出されると考えられる。 河川水、底質を用いたPFOSの2種類の前駆物質(N-MeFOSE、N-EtFOSE)の好気的生分解試験を行った。その結果、N-MeFOSEとN-EtFOSEの半減期は、それぞれ12.4、19.8日であり、28日間で生成したPFOSの割合はそれぞれ7.7、1.9%で、N-EtFOSEよりもN-MeFOSEが転換されやすい傾向があった。これらのことから、アミド基に結合するメチル基とエチル基の違いがエタノール基の酸化速度に影響することが示唆された。 これまでの研究結果から、河川におけるPFOS、PFOAの汚染は、生活排水処理施設の放流水や河川環境中における前駆物質からPFOS、PFOAへの転換に由来すると考えられる。
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Research Products
(11 results)