2012 Fiscal Year Research-status Report
低温環境における微生物由来変異原の海洋生態系に及ぼす影響評価手法の開発
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23510025
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
久留主 泰朗 茨城大学, 農学部, 教授 (60272118)
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Keywords | 酸化損傷塩基 / 大腸菌 / 枯草菌 / 乳酸菌 / 光合成細菌 / 低温細菌 |
Research Abstract |
前年度において、低温細菌Pseudoalteromonas sp.(Maruyama A et al. Marine Biol, 128:705-711,1997)、Psychrobacter sp.(Maruyamaet al. Int J Syst Evol Microbiol, 50:835-846,2000)と、対照細菌として大腸菌、枯草菌(中温菌の代表菌)、乳酸菌(絶対嫌気性菌の代表菌)及び酸素発生型光合成細菌Cyanobacteriaについて解析した結果、いずれの菌株も低温条件では酸化損傷塩基の生成が増大すること、また定常期に比べ対数増殖期において著しい酸化損傷塩基の蓄積が見られた。そこで、平成24年度は各細菌における酸化損傷塩基の抑制機構について解析することとし、酸化損傷塩基分解酵素遺伝子の探索を行った。既に大腸菌ではMutT遺伝子として報告されているが、他の細菌では報告されていないためMutT遺伝子の相同遺伝子を探索したところ、絶対好気性菌である枯草菌では遺伝子そのものは同定されたが,染色体上の同遺伝子破壊株は野生株と同程度の自然突然変異率を示し、また、酸化損傷塩基の生成量にも変化は無く,枯草菌ではサイレント遺伝子である可能性が示唆された。また、絶対嫌気性菌である乳酸菌の染色体上にはMutT遺伝子が無いことが示唆された。一方,低温細菌と光合成細菌からMutT遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境中の代表菌である各細菌が酸化損傷塩基分解酵素遺伝子を保持するかどうかについて解析した結果、同遺伝子の有無について多様性があることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで各細菌毎に調査したが,今後は微生物群集としての環境試料についても調査を広げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の多くは消耗品として酸化損傷塩基の検出および酸化損傷塩基分解酵素の解析等の用いる試薬の購入に使用する。
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Research Products
(4 results)