2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23510027
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大谷 眞二 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (10314577)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 黄砂 / 健康影響 / アレルギー / 越境汚染 |
Research Abstract |
本研究はその発生規模や頻度が増大している黄砂現象が人体の健康に及ぼす影響を評価することを目的としている。本年度は主として健常者40人を対象として、日記式の自覚症状調査を黄砂の発生しやすい2月から3月にかけて実施した。この期間、黄砂が発生しなかったが、気温、相対湿度、気圧や大気中の汚染物質の濃度など環境因子との関連性を検討した。 また、平成22年度まで実施してきた黄砂と健康に関する調査をもとに、黄砂発生時にかゆみなどの皮膚症状を生じた健常者と生じなかった健常者を対象として、パッチテストを用いた症例対照研究を行った。 その結果、黄砂発生時に皮膚症状を生じた者は金属アレルギーを有する頻度が高く、黄砂とアレルギー疾患との間に何らかの関連性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では被験者の各種データを黄砂の発生前後で比較することが必要であるが、黄砂の発生を前提としているため、気象条件等によって研究の進捗状況が左右される。 例年、2月から3月にかけて数回の黄砂現象が確認されるが、平成23年度はこの期間に発生しなかったため、予定されていた健康調査や検体採取などができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に準じ、アレルギー疾患を持たない健常成人およびアレルギー疾患を持つ成人に対し、黄砂飛来前後に自覚症状、他覚的身体所見の対面調査を行い、血液検査、呼吸機能等の生理学的検査を実施する。また同期間の気象データ、花粉飛散量、大気汚染物質等のデータを取得し、対象者から得られたデータとの関連性を統計学的手法により評価する。 また、秋期に黄砂が発生することもあるため、春期のみに予定していた健康調査および環境データ採取を9月から11月にかけても実施する。 さらに、黄砂粒子をハイボリューム・エアー・サンプラーや水盤を用いて採取して成分分析を行い、黄砂に含まれる(あるいは付着している)どの成分が健康に影響を及ぼしているかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に予定していた対面調査や血液検査を次年度に繰り越すため、これに伴う費用(謝金等も含む)に研究費を使用する。また、黄砂粒子の採取および成分分析にも使用する予定である。 研究の成果は随時、国内外の学会や研究会で報告し、さらに論文発表する予定であり、これにかかる旅費や投稿にかかる諸費用にも研究費をあてる計画である。
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Research Products
(5 results)