2013 Fiscal Year Annual Research Report
オゾン応答遺伝子を用いた植物のオゾンストレス診断手法の開発
Project/Area Number |
23510036
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
青野 光子 独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (10202491)
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Keywords | オゾン / 環境影響評価 / ストレス診断 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
わが国では多くの大気汚染問題が改善されてきたが、光化学オキシダント(オゾン)については、逆に汚染の高濃度化、広域化が進んでおり、人間の健康はもとより、森林や農作物など植物への深刻な悪影響が強く懸念されている。本研究の目的は、植物が生育環境中のオゾンによって受ける影響を正確かつ迅速・簡便に把握するためのストレス診断手法の開発である。まずはオゾン指標植物であるアサガオや、オゾンによる衰退が示唆されているブナ等の植物を用い、オゾンに応答して発現する遺伝子の情報を得て、実際の野外に生育している植物の影響評価に利用可能な、分子的機構に裏付けられしかも比較的安価に実施できる手法の確立を目指した。具体的には、野外環境中で生育する上記植物種におけるオゾンストレス診断に最適なマーカー遺伝子を決定し、それらを用いた遺伝子発現によるオゾンストレス診断手法を開発するために、各植物種のオゾンストレスのマーカーの候補となるオゾン応答遺伝子を選定し、それらの遺伝子の発現の調査を行なった。すなわち、野外環境中で生育する植物からRNAを調整し、逆転写PCRによってマーカー遺伝子の発現の程度を調べることで、どのような遺伝子がどの程度発現しているかという情報を得て、植物がオゾンストレスを受けているかどうかの評価、及び受けている場合はその程度を評価する手法を開発した。特に、逆転写PCRでは、電気泳動画像のフリーソフトによる解析や微量分光光度計を用いる方法など、比較的安価に実施できるPCR産物の定量方法を検討した。 ガス暴露チャンバー内でオゾン暴露したアサガオ、ブナにおけるオゾン応答遺伝子群の発現解析とあわせ、野外で生育したアサガオ、ブナ試料の遺伝子発現解析を行い、野外においてもストレスマーカーとなりうる遺伝子を見出してオゾンストレスを評価した。
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