2012 Fiscal Year Research-status Report
消費者保護を重視した住宅用PVシステムの普及方策の検討と社会定着シナリオの導出
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23510040
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 直也 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30323819)
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Keywords | 消費者保護 / 住宅用PVシステム / 再生可能エネルギー / 維持管理 |
Research Abstract |
今年度は、消費者に対する住宅用PVシステムの故障や保守管理に関する適切な情報提供の重要性とこれらの情報が住宅用PVの購買行動に与える影響を明らかにするため、仮想的な選択実験(コンジョイント分析)の枠組みにおいて、PVシステムの維持管理契約について、PVシステムに付随する故障リスク情報の開示を行うことで、消費者の維持管理方策に対する選好がどの程度向上するのかについて実証的・定量的な分析をした。その結果、故障リスクという、PVシステムの負の側面に関する不利益情報の開示を潜在的消費者に行うか否かの相違により、消費者のPVシステムの購入意欲の低下と維持管理に対する認識の向上という競合性が生じることを定量的に明らかにした。また、PVシステムに関する情報収集行動と保守管理方策や保証内容の選択行動の関係を明らかにするため、消費者の選好の多様性を考慮したコンジョイント分析(潜在クラスモデル)を行った。その結果、消費者は主に4つの情報媒体、すなわち、基本的情報を提供するテレビ・新聞・雑誌などの媒体、初期費用回収など収益性に関する情報を収集するため公共機関パンフレットや研究機関による情報媒体、故障やトラブルに関する情報を入手しやすい既導入者からのインターネット情報、長期運用などに関する評判などを重視する観点からNPOや比較サイトなどの情報媒体にアクセスしていることを明らかにした。 以上より、消費者のPVシステムの故障や保守管理に対する認識構造を明らかにするとともに、消費者が保守管理の重要性を認知し購買意思決定を下すために必要な情報提供の基礎的要件を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PVシステムユーザー(消費者)の調査を行い、当初計画において設定した目標をおおむね達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は、当初の計画通り、住宅用PVシステムユーザーなどを集めたワークショップを通じて、今後のPVシステムの社会定着の在り方とそのためのシナリオの導出を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、住宅用PVシステムの社会定着に関するシナリオプランニングを行い、同システムの社会定着の将来像を導出する。そのために、住宅用PVシステムの利用者などを集めたワークショップを開催する。そのために、参加者に対する謝金の支出や会場費などの支出を行う予定である。
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Research Products
(1 results)