2013 Fiscal Year Research-status Report
廃棄及び排せつを含む消費者行動の環境負荷評価に向けた廃棄物産業連関モデルの拡張
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23510041
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高瀬 浩二 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20350358)
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Keywords | 経済統計学 / 環境政策 / 廃棄物処理 / LCA / 産業連関分析 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,廃棄及び排せつを含む経済学的な消費者行動モデルの開発を目指し,伝統的消費者理論の文脈での廃棄物,排せつ及び環境負荷の扱いについての文献サーベイを行い,本研究で開発を目指すモデルの概念整理を行った。これらの文献調査をもとに,伝統的な経済学における消費者理論であまり扱われていない廃棄物組成別排出を説明する消費・廃棄・排せつモデルを構築する準備を行った。理論的な整理と平行して,本研究のもととなるデータ整備作業を行った。家計消費部門について,平均的家計からの組成別の廃棄物排出・再資源化・処理量,それらの組成等を定量的に把握できるよう,データの整備を継続的に行っている。 また,本研究の基礎データの一つである廃棄物産業連関表(WIO表)の拡張を目指し,以下の検討を行った。 [1]農業部門による炭素貯留効果を考慮した勘定体系の推計と分析モデルの開発を行った。公表されている産業連関表をベースとし,農林水産省の資料,農業関連の実験データ等を組み合わせ,農地の炭素貯留効果を考慮するための拡張型産業連関表の推計を行った。作成された表を用い,食品の販売過程の環境負荷排出量の推計とスーパーマーケットの排出削減策の効果の計測を行った。[2]産業連関モデルにおける部門統合とその影響について,生産誘発係数の計算方法の整理と都道府県比較に関する理論的な検討を行った。[3]廃棄物産業連関モデルのバイオマスへの拡張を目指し,廃棄物焼却に関する技術情報の整理を行った。[4]家計の行動に起因する環境負荷を分析するため,家計の活動(移動,食,余暇の過ごし方等)とそれらに必要な財と時間との関係を「消費技術」と定義し,その整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家計の消費・廃棄・排せつ行動を表す経済学的な消費モデルについての概念整理を継続して行った。また,既存の廃棄物産業連関モデル(WIO基本モデル)について,計算プログラムのチェックと改善すべき点の整理を行った。さらに,実証分析に必要となる基礎データの収集と整理を進めており,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
家計の消費・廃棄・排せつ行動を表す経済学的な消費モデルと既存の廃棄物産業連関モデル(WIO基本モデル)とを統合し,消費・廃棄・排せつ分析用WIOモデルを作成する。理論モデルを用いたシミュレーションを可能とするため,計算プログラムの作成と運用を順次行う。分析のもととなるデータ整備については,継続的に行う予定である。これらを用い,一般家庭の行動,すなわち,ライフスタイルの変化によって直接・間接に引き起こされる総合的経済・環境効果の増減の定量評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度および平成25年度の国際会議での成果報告が申請書作成段階での計画よりも少なかったため。特に,平成25年度については,例年,欧州で行われる国際会議が韓国で開かれたため,外国旅費の支出が予定よりも少なかった。 平成26年度の国際会議での成果報告で使用予定。
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