2015 Fiscal Year Annual Research Report
体験と知識の相互浸透をもたらす総合的環境教育プログラムの構築と教育効果の測定
Project/Area Number |
23510048
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大前 慶和 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (40315388)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 環境教育 / アクティブラーニング / エコスイーツ / ダンボールコンポスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、プログラムのブラッシュアップに資するとの理由から、日本各地の環境教育施設の調査を実施した。環境価値を伝える技術は大いに前進していることを理解し、学習者の興味心を引き出す方法、専門的内容を誰にでも分かるように再解釈・伝達する方法、また記憶定着を目的とするサブ教材の活用について、多くの工夫を本事業で活用した。 エコスイーツ活動という教育プログラムの構築に関しては、今後も改善を続けることはもちろんであるが、一応の完成と言ってよい段階まで開発を進めることに成功した。H.ミンツバーグのアンブレラ戦略の考え方を応用し、教員が活動指針として大枠を与える手法をとっている。ただし、大枠の設定は毎年変化させることを想定しておらず、エコスイーツ活動なる教育プログラムは毎年継続的に大学生に与えられるスタイルを採用している。したがって、活動ルーティンが年々形成される結果となった。大枠の提示(エコスイーツ活動では、有機性廃棄物をユニークにアップサイクルし、多数の市民・企業等を巻き込みながら最終的にスイーツの製造販売を支援する)だけで教育が進んだのではなく、むしろルーティンの形成、すなわちプロセスの提示ができるようになった点に教育的配慮の意味があったと評価している。アクティブラーニングの視点、および環境活動を活用して環境教育を進めようとする場合、1つの方法はプロセス戦略をとることであり、プロセスの提示のためには活動を短期的に設定するのではなく、継続的に取り組んでいくことが有効であると言える。 なお、本事業で開発したエコスイーツ活動は、主として「知識の活用」に関係する教育である。この前提には「知識の蓄積」が必要となるが、知識の蓄積を進める教育プログラムは既に多く存在しており、既開発のものを組み合わせて活用した。例えば、過去に獲得した科研費によって自ら開発した「環境連想ゲーム」などである。
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Research Products
(1 results)