2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23510056
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
西村 一彦 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (00351081)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 産業連関 / 経済統計学 / 数理計画 / 環境 / エネルギー |
Research Abstract |
地域産業連関表の整備・推定:中国における各省レベルの地域産業連関表を整備することを目的として,文献調査を行い,研究遂行のための一次資料が整備されつつある。一部の地域の地域産業連関表の推計については確立された方法にて、適宜RAS 法を用いるなどして調整を行った。また,一部の地域については,中国国家統計局からの支援を得てさらに調整を行った。地域間交易推定にかんがみ、輸出入を先決する方法で地域別移輸入を全国表に整合させている。エネルギー・環境情報の整備・推定:地域別産業別の生産技術の文献調査を行い、エネルギー消費、二酸化炭素排出、大気汚染物質排出(SOx 等)に関するデータの入手可能性を調査した。データ未整備部分が多いことがわかっており,必要に応じて、地域別産業別の生産技術の調査を行い環境負荷原単位(生産単位あたりに直接的に排出する環境負荷量)を推定しているが,終了には至っていない。とくに、新疆地区については、資源・エネルギー開発および環境保全についての詳細な調査を行った。地域間交易の推定:各省レベルの地域産業連関表の移出入に整合する産業部門レベルの地域間交易表の作成を行った。とくに環境負荷の地域間波及において交差輸送の効果が非常に大きいことから、交差輸送を排除しない方法で地域間交易表を作成する方法を開発した。また,必要に応じて、現地(文献)調査によって得られる地域間交易の基礎データに基づき各種ノンサーベイ手法を援用した。さらに,この手法に関する論文発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画にある当該年度の予定について,未達成事項が若干存在する。具体的には、地域間交易の推定に関して、開発した手法を国際誌に学術論文として投稿していたが、予想より多くの時間が査読審査にかかったため、その手法を用いた具体的な交易計算手法の開発に時間をとることができなかった。また、予定していた現地調査について未達成の部分があった。
|
Strategy for Future Research Activity |
○引き続き、エネルギー・環境情報の整備と、地域間の交易計算手法の開発を行う。○動学モデルの定式化動学化のためのデータ整備・推定の準備、具体的には、固定資本マトリクスの推定手法を開発・推計を行う。地域別の固定資本マトリクスと人的資本の動態モデルから、各期の最終消費および地域産業投資量を政策変数とする、動的計画問題として産業構造モデルを定式化する。重み付けおよび割引率を変えて問題のいくつかを数値的に解き、政策変数その他のカリブレーションを行う。○データ管理・数値計算環境の整備データ管理や数値計算を一元化する環境を構築する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動学モデルの定式化及び、データ管理・数値計算環境の整備に際し、前年度に導入予定であった数値計算ソフトウェアをこの際に導入する。また、現地調査及び情報収集整理について、前年度に達成できなかった部分を実施する。国際学会発表については予定通り実施する。
|