2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23510056
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
西村 一彦 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (00351081)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 地域間交易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の趣旨に鑑み,地域産業連関分析を行う場合,問題となるのは,公刊されている地域産業連関表の地域区分と,エネルギー環境分析に適した地域区分とが異なることである。このような場合,地域区分の変更をすることになるが,そのことに伴い地域間交易構造を推定し直す必要性が生じる。地域間交易構造の推定は容易ではなく,とくに交差輸送を排除しない推定は困難であると考えられてきた。 そこで本研究では,公刊された数値が得られている地域間交易(IRIO)の情報を利用しながら,貿易論で標準的なグラビティモデルに基づき,希望する(任意の)地域区分の地域間交易を,交差輸送を排除しないで推定する手法の開発を行い,良好な結果を得ることができた。 具体的には,まず,公刊されている地域間交易のトランザクションと別途推計した地域間の人口加重平均距離を用いてグラビティ比のパラメータを推定した。トランザクション比はグラビティ比から計算される。推定されたグラビティ比を単純に用いた場合,推定すべきトランザクションが決定するが,行和および縦和に関する整合性は担保されない。本研究では,回帰分析から得られたグラビティ比のパラメータについて,推定値の周りで推定された分布にしたがう乱数を発生させることで,繰返し異なるトランザクションを作成し,その中から行和列和の整合性の高いものを選び出すという方法をとった。 中国の地域産業連関表および地域間交易から得られるグラビティモデルを用いて,地域表を適当な3地域に再編集する事例について良好な結果を得ることができた。
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